あなたの家(サロン)の防犯対策は大丈夫ですか?美容室が狙われる犯罪は意外と数が多いそうです。自宅サロンも安全とは言えず、さまざまな被害に遭う店舗が後を絶ちません……。よって、今回は狙われやすい理由や実際に起きた事案から考えられる防犯対策を、前半は自宅サロン、後半はテナントサロンに焦点を当ててご紹介します。「ウチは大丈夫」と思っている方も再度見直してみると、意外な落とし穴が見えてくるかもしれません。

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理美容室で盗難相次ぐ!犯人は自宅サロン狙い!?

昨年、群馬・栃木・埼玉の三県で、住居併設型の理美容店を中心に連続窃盗事件が起こりました。店舗スペースに留まらず、居住スペースにまで侵入されたという店舗も多くあります。犯人は昨年末に逮捕されましたが、この事件では群馬県だけでも現金被害は70万円以上にまで上ったと見られています。防犯対策について考えさせられる印象深い事件でした。

犯人グループが狙ったのは店舗兼住宅のサロンばかりでした。その理由は単純明快で、防犯意識が甘く、侵入しやすいから。多くのオーナーは「泥棒に入られるほどのお金は置いていない」、「個人でやっている小さな店が狙われるわけない」などと思って防犯対策に気を配っていないことが多いです。正確に言えば、防犯したつもりになっている場合が多いですね。

それでは、具体的にどのような対策を取っていけば良いのでしょうか?まずは問題点を洗い出し、改善すべきことを整理しましょう。

参考:上毛新聞 「東毛地域の理容店で盗難相次ぐ 5市町14店 手口類似 同一犯か(2019/11/16)」
参考:上毛新聞 「栃木や埼玉でも被害判明 理美容店連続窃盗 3県警が連携し捜査(2019/12/21)」

自宅サロン版防犯度チェック

☑ドアチェーンが付いていない、あるいは付いているが掛けていない

☑扉や窓には鍵が一つしかついていない

☑合鍵をポストの中や鉢植えの下に置いている

☑雨戸(シャッター)が付いていない、あるいは付いているが使っていない

☑隣の家との間隔が狭い

☑長期休暇のお知らせ等を貼りだすことがある

☑通帳、印鑑、カード類を一緒に保管している

☑階ごとに店舗と住居を分けている場合、どちらかが無人になる時がある

☑ニ階以上だから大丈夫だと考えている

☑電話や配達物の受け取りに出るなど、お客様を一人にさせることがある

いかがですか?上記の項目に当てはまるものが多いほど、あなたの防犯意識は低いということなので危険です!

どれにも当てはまらなかったという方は素晴らしい防犯意識ですが、油断は禁物です。万が一の場合を想定して、常に防犯を心がけてください。

あなたの家とサロンを守る10の防犯対策!

補助錠

玄関や窓には二重に鍵をかけるようにしましょう。ドアチェーンやロック機能が付いているものは毎回使うようにしてください。鍵の閉め忘れには注意です。窓と玄関、勝手口は侵入されやすい場所ワースト3です。お風呂場やトイレの小窓、2階以上の窓も侵入経路になるので、必ず確認をするようにしてください。

シャッター・目隠し可動ルーバー

面倒だからと雨戸を閉めずにそのままにしておくのは危険です。窃盗犯の多くは窓ガラスを割って侵入してきます。雨戸の中でもシャッターは開閉する時に大きな音がするので、開けたり破ろうとしたりする泥棒はほとんどいません。最近は手動ではなく電動のシャッターもあるので、防犯面ではかなり役立つでしょう。

また、シャッターを設置しづらい箇所には目隠し可動ルーバーがオススメです!シャッターとほとんど同じ役割を持ちつつも、室内からの簡単な操作で開閉できるので採光や通風にも向いており人気があります。

屋外用センサーライト

人が来ると感知して自動でライトが点灯するものです。やましいことをしようとする者は目立たない場所を好みますから、暗がりを極力作らないようにしましょう。ライトがあることで、家に誰もいなくても近隣の目を気にして諦める泥棒も少なくありません。

防犯カメラ

万が一何かあった時のために証拠を残しておくのは大事なことです。また、防犯カメラを取り付けることで、下見の段階で諦める泥棒も多くいます。しかし、お客様も来る以上、見た目がいかにも防犯カメラのものだと嫌な方もいるはずです。そういう場合は、半球形のものやセンサーライトを装ったものなどを上手く活用しましょう。

今は安価な値段で防犯カメラも買えてしまうので、いろいろな機種の中から自分の目的や予算に合ったものを選んでください。中には実際に録画はできないものの、泥棒避けになるダミーカメラなんてものもあります。ちなみに「防犯カメラ作動中」のステッカーを貼っているだけでも効果がありますよ。実在する警備会社のステッカーの偽造・販売は商標権違反ですので、購入・利用はしてはいけませんよ!転売も犯罪です!

参考:産経新聞「セコムの偽ステッカーをネット販売、アルバイトの男を逮捕(2018/8/2)」

人感センサー付きチャイム

窓に続いて侵入経路として多いのが玄関です。玄関に誰かが入ってきたら音が鳴るようにしておくと良いですね。音の種類を変えられるものも多いので、営業中は来客用のチャイムにし、夜はアラーム音などに変えておけば一石二鳥です。

警報器

もしも、泥棒と鉢合わせてしまった時のために、警報器を押しやすい場所に設置しておくのも良いでしょう。防犯ブザー等でも良いですね。大きな音を鳴らせば大抵の泥棒は怯みます。また、異常に気付いた人が様子を見に来てくれるかもしれません。万が一の場合に備えておきましょう。

盗難防止アラーム

時間短縮のため、レジや金庫などをそのまま持ち去る泥棒もいます。そこで役立つのが盗難防止アラームです。親機は子機の通信電波が届かない範囲になると警告音を鳴らします。親機をいつも身に着けていれば持ち去られそうになっても気が付けるのでオススメです。この頃はスマホアプリと連動するものも出てきているので、ぜひ色々見てみてください。

不審な相手は断る

サロン狙いの犯罪者が多いのは、営業時間や定休日がはっきりしており、下見も自由にできるからです。客として足を運べば間取りや内部構造などが分かり、堂々と調べられます。ですから、少しでも怪しいなと感じたら断る勇気を持ちましょう。それがお店や家族を守ることに繋がります。

お迎え、お見送りを徹底する

住所は途中までしか公開せず、当日は駅で待ち合わせるなどをしている方が多いと思います。誰もがアクセスできるサイトに自宅の住所を載せるのは誰しも不安でしょうし、あらゆる面から考えても理にかなっているので、既に実践している方はぜひこのまま続けてください。

そして、常連客であってもお迎えとお見送りは玄関先まで徹底しましょう。それがマナーでもありますし、お客様を一人きりにしないことが犯罪の未然防止にも繋がります。

大事なものはしまっておく

前述したことに繋がりますが、お客様にはいろいろな人がいます。何となく出来心で、気に入った雑貨や装飾品を持ち帰ってしまったり、宝飾品を盗んでしまったりする人もいるのです。自宅で起業している人には、意外とこういったケースの盗難被害が多いそうです。

親しい友人や小学生以下の子どもであっても、手癖の悪い人はいつでもどこでも何でも誰からでも盗っていきます……。よって、高価なものは人目に付かない場所に保管しておきましょう。加えて施術スペースやトイレ以外の部屋には鍵をかけておくと安心です。

ヘアサロンは犯罪の温床!?トラブルに巻き込まれないために……!

一般的に、美容室は盗難被害に遭いやすいと言われています。なぜなら、人がいるかいないかが分かりやすいからです。多くの理美容店の窓は大きなガラス張りになっており、窓も透明なガラス製で内側がよく見えます。営業後や定休日に確実に人がいないことが確認しやすいのです。

また、障害物が少なく鏡が多いことから、人がいたとしてもその動向を探ることができる=相手が何をしているか、自分の方を見ているかがわかるのも理由の一つでしょう。実際、福井県でも美容室狙いの窃盗が連続で行われていたと言います。美容業界だとあまり警察沙汰にならないですが、スタッフによる横領もよくあることだとか……。時には、スタッフがお客様の財布からお金を抜いてしまうケースもあるようです。

一番多いのが現金の窃盗ですが、顧客情報流出や風評被害に遭うこともあります。大切なお店やスタッフ、お客様を守るためにも、今一度自分のサロンの防犯対策を見直してみましょう。

もしかしたら既に同様の被害に遭われたサロンもあるかもしれません。悔しい思いをした方もいるのではないでしょうか?そういったサロンでは、対策を取っているところが多いと思いますが、できるだけ「犯罪ゼロ」に近づくためにも、再度防犯面を確認してみましょう。

参考:産経新聞 「美容室狙い89万円窃盗 容疑の自称美容師を逮捕 奈良県警(2016/6/5)」
参考:ニュースパス 「美容師が仕事中に客の金盗んだ疑い(2018/5/19)」

テナント版防犯度チェック

続いてはテナント版の防犯度チェックです。チェック数が多ければ多いほど防犯対策が甘いと思ってください!

☑扉や窓がガラス張りで店内の様子が分かりやすい

☑サロンは二階以上にあるが、侵入経路となる非常階段や配管などがある

☑テナント自体がオートロックだから大丈夫だと思っている

☑強盗に遭った場合など、緊急時のマニュアルを作っていない

☑お客様やスタッフが使う荷物置き場に鍵がかかっていない

☑レシートを渡していない

☑店販品やカラー剤などの在庫管理をしていない

☑誰もが顧客情報にアクセスできる

犯罪は未然に防止する!サロンでできる防犯対策7選!

防犯カメラ

第一に挙げられるのは防犯カメラです。設置する位置や機能にもよりますが、空き巣対策になるのはもちろん、レジでの金銭トラブルの防止やスタッフによる内引きの防止にも繋がります。また、複数の店舗を経営するオーナー様にとっては、各店舗の様子を見ることができるというメリットもある優れモノです!

ただし、美容室やネイルサロンの場合、出入り口や窓側から採光するため、逆光になってしまうことも少なくありません。それだと侵入されても犯人の顔は分からないので、逆光機能補正付きの防犯カメラを選ぶなど、それぞれのサロンに合ったカメラを使ってください。

防犯ガラスを使用する

警視庁の調べによると、窓からの侵入が56.8%と最も多く、窓対策は非常に有効だと言えます。中には「ウチはワイヤーガラスだから大丈夫」と思っている方もいるかもしれませんが、ワイヤーガラスは防犯ガラスではありません。よく誤解されていますが、あれは中に金属製の網が入っているだけで、強度自体は普通のガラスと同じかそれ以下です。ワイヤーガラスの役割は火災発生時などにガラスが割れた際、周りに破片が飛び散らないようにすることなので、防犯用ならきちんとした強化ガラスをオススメします。

もし、予算がそんなに組めないという場合には、防犯フィルムの貼付やシャッター・格子の取り付けを検討してみてください。

鍵の交換、補助錠の設置

ギザギザではなく、小さなくぼみのある鍵をディンプルキーと言います。これは鍵穴の構造が複雑なので、不正開錠をするのに時間を要するので、泥棒対策に向いています。侵入に5分以上かかると、多くの泥棒は諦めるそうです。また、電子錠も防犯対策にオススメです。これはもはや鍵穴がないので、ピッキングなどが不可能になっています。

鍵を交換できないという場合には補助錠を取り付けましょう。鍵が二つ以上あると侵入に時間がかかるので、やはり泥棒には狙われにくいです。

オートロック付きの場合も注意してください。他業種を経験した実体験から言うと、オートロックは比較的簡単に破れます!そしてオートロックだと内側のセキュリティが甘いことも多々あるので、そういうところこそ用心が必要です。

参考:警視庁「平成30年中の住宅対象侵入窃盗の発生状況」

不在を知らせない

サロンですから、定休日や営業時間は周知しないといけません。しかし、あたかもサロンにまだ人がいると思わせることは可能です。たとえば、今は照明やパソコンをタイマー機能やアプリを使って操作できるものがあります。これらを有効活用して不規則に付けたり消したりすれば、練習や片付けで誰かがまだ残っているかのように見えます。

また、SNSやHPなどで社員旅行の様子を発信しているサロンをたまに見かけますが、それも要注意です。泥棒からすると、確実に不在である絶好のチャンスになります。予約ページも「臨時休業」などと書くのではなく、あたかも予約で埋まっているかのように「×」をつけると良いでしょう。社員旅行や社外研修について伝えたければ、終わって帰ってきた後に発信するようにしてください。

緊急時対応マニュアルを作っておく

一般の企業や店舗であれば災害や犯罪に遭った時のマニュアルがありますが、個人営業が多い美容業界では作っていないところがほとんどですよね。しかし、緊急時のマニュアルを作ることの意義は大きいので、この機会にぜひ作ってもらいたいです。たとえば、マニュアルを作るとなると、サロンが抱える潜在的なリスクを徹底的に洗い出すと思います。この作業を経ることで、スタッフ全員に危機意識が備わり、それが普段の行動にも表れてきます。

そして、万が一の事態が起こってしまった時でも、迅速に対応できるのです。有事の際に責任者やトップからの指示をいちいち仰いでいる余裕はありません。どのスタッフも自ら考えて行動できるようにすることが、お客様やお店、そしてスタッフ自身をも守ることに繋がります。

また、マニュアルを作ることで、普段は見落としがちだった安全点検を徹底したり、防犯面を強化したりすることができ、事故や事件の未然防止にも役立つのです。事前に準備しておけば、何かあった時に対応漏れが生じるリスクも減らせるので、ミーティングや研修などの際に少しずつ制作を進めていってもらえればと思います。防災対策に関して、人気のコラム災害補助金だけじゃない!防災補助金を活用した美容サロンの防災計画もあわせて参考にしてみてください!

鍵付きのロッカーを設置する

お客様の荷物トラブルやスタッフ間の盗みを防ぐためにも、鍵付きのロッカーを設置しましょう。その際、財布などの貴重品は、貴重品用の小さめのカバンや袋などを渡して、自分で管理してもらうとなお良いですね。コート類をお預かりする時も「ポケットなどに貴重品はございませんか?」と一言お声がけしておきましょう。さらに、お客様用のロッカーはお客様から見える場所に設置すると安全・安心です。

スタッフ用のロッカーも同様に鍵付きのものにしましょう。残念ながらスタッフ間での盗みに遭ったという人は少なくありません・・・お互いが気持ちよく働くためにも犯罪の未然防止は必須です!

金銭・在庫・顧客情報管理の徹底

金銭トラブルを防ぐためにも、お客様に必ずレシートか領収証をお渡ししましょう。お釣りやメニュー額に対するお客様からのクレーム防止になる他、スタッフの窃盗防止にもなります。あまり考えたくはないことですが、レシートを発行しない場合、お客様の注文内容を安いものに変えて、その差額を自分のものにする人がいるようです・・・レシートを受け取らないお客様が一定数いて、返金・取り消し作業がしやすいレジのある店の従業員に多いのだとか。

また、店販品やサロンで扱う薬剤、シャンプー類などを私物化するスタッフに困っているという声も聞きます。一日の終わりに在庫をきちんと確認して、簡易的でも良いので記録も取っておきましょう。

そして、一番重要なのが顧客情報です。ご新規のお客様に対して、紙にお客様情報を記入してもらうサロンは多いと思います。その書いてもらった紙はどう扱い、どのように保管しているのでしょうか?スタッフの誰もが見られる場所に置いておく、レジなど泥棒に狙われやすい場所にしまっておくのはやめましょう。

大切な個人情報なので、サロンの責任者のみが扱い、管理するのが理想です。電子媒体の場合も同様で、誰もがアクセスできるような管理ではなく、二重にロックをかけておくなどをして厳重に保管してください。

犯罪行為はしない、させない環境づくりを

今回のコラムはいかがだったでしょうか?前半は自宅サロン向け、後半はテナントのサロン(特に美容院)向けに書きましたが、後半でも自宅サロンのオーナー様に役立つ情報は載せたつもりですし、その逆もまた然りです。

どのサロンのオーナー様にも全部に目を通していただけたなら嬉しく思います。この頃は犯罪者の手口も巧妙で、知的犯罪なども増加しています。日頃からのご近所付き合いなども大切にしつつ、安心して仕事ができ、安全に営業できる環境を整えてください。