気づいたらカラー剤が服にべっとり……洗っても上手く落とせずに泣く泣く服を捨てる美容師は多いです。また、市販のカラー剤が出回るようになって自宅で染める人も増えましたが、服やお風呂場の壁などにカラー剤が付着してしまったという人も少なくありません。パーマ液も同様で、気づかないうちに服に付いて変色してしまった経験があるのではないでしょうか。今回は家でできる落とし方をまとめたので、ぜひ試してみてください!

家にあるものでカラー剤を落とす方法

カラー剤は時間が経つほど酸化が進んで落としにくくなってしまいます。したがってまずは家にあるもの、またはすぐに調達できるものを使って汚れを落とす方法をご紹介します。まずは服に付いてすぐに対応する場合の方法です。

酸素系漂白剤を使って落とす

用意するもの

・酸素系漂白剤(強力タイプ)
・洗濯用洗剤
・ティッシュペーパーまたはキッチンペーパー
・洗面器等の容器

落とし方

汚れ落としの手順
①クリーム等の固形物が付いてしまった場合には、ティッシュペーパーやキッチンペーパー等で拭い取っておきます。
②汚れた部分を静かに流水に当てて、液剤をできるだけ落としていきます。汚れ範囲を広げないように注意しましょう。
③白髪染め・ヘアカラー等のクリームが付いてしまった箇所に、酸素系漂白剤を直接塗布しておきます。
④洗面器等の容器に水を張り、漂白剤を適量溶かし込んでおきます。
⑤汚れた衣類を④で作った液剤に浸け込みます。
⑥20分~30分以上放置します。
⑦汚れが落ちていたら、洗濯用洗剤で全体を手洗いもしくは洗濯機洗いして仕上げます。

引用元:簡単 染み抜き クリーニング方法「白髪染め・ヘアカラーが服に付いた時の染み抜き方法は?」

染み抜き時の注意

・水洗いができない服、ウールやシルクなどのデリケートな素材の場合はこの方法が使えません
・衣類の染色方法によっては変色や色あせが起きることがあるので、最初に目立たない場所で試してください

このように早めに対処しても汚れを落としきれないことがあります。そもそも染料なので衣服に付着しやすいですし、時間が経てば経つほど酸化が進んで落ちにくくなるからです。よって、上記の方法でも落ちない場合は、酸素系漂白剤よりも強力な塩素系漂白剤を使う必要があります。

塩素系漂白剤を使って落とす

用意するもの

・塩素系漂白剤(液体タイプ)
・洗濯用洗剤
・バケツ等の容器
・ゴム手袋またはビニール手袋

落とし方

汚れ落としの手順
①バケツ等の容器に水を張っておきます。
②塩素系漂白剤を適量溶かし込みます。製品の使用説明書を確認し、適切な使用量に抑えましょう。
③汚れの付いた衣類を漬け込みます。
④20分~30分程度放置します。
⑤汚れが取れていたら、水で十分にすすぎます。
⑥洗濯用洗剤で全体を手洗いするか、洗濯機洗いで仕上げます。

引用元:簡単 染み抜き クリーニング方法「白髪染め・ヘアカラーが服に付いた時の染み抜き方法は?」

染み抜き時の注意

・この方法が使えるのは服の素材が綿、麻、ポリエステルの場合のみです
・ニット素材などは使えません(平織りのみ)
・白い服であることが前提です(色付きだと服自体の色も脱色させてしまいます)
・刺繍や柄が入っておらず、丈夫な素材にのみ試してください
・塩素系漂白剤を使用する時は必ず換気してください
・塩素系漂白剤は刺激が強いので、手袋を着用して作業してください

時間が経ってしまったシミを自宅で落とす方法

カラー剤が付いてしまったとしてもすぐに落とせば上記の方法でだいたい落ちます。しかし、気づいた時には汚れてしまっていていつ付いたのか分からない、仕事が忙しくて落とす時間がない、という時もあるでしょう。服が綿、麻、ポリエステルなどの丈夫な素材でできているのであれば、まだ諦めるのは早いです。以下の方法を使って自宅で落とせる可能性もあります。

【用意するもの】
・除光液
・歯磨き粉
・タオル
・いらない歯ブラシ
・酸素系漂白剤
・クエン酸
・水

【シミの落とし方】
①まず、カラー剤がついた部分に除光液をつけます。
②その後、タオルで叩くようにしてシミを落としていきます。
③シミが薄くなってきたら、歯ブラシに歯磨き粉をつけてシミの部分をやさしくこすります。
④その後、お湯で軽く洗い、水ですすぎます。

引用元:美プロPLUS「【緊急事態!!】美容師の服に付いたカラー剤を落とす方法」

上記の手順で汚れを落としきれなかった場合は汚れた部分に直接酸素系漂白剤を付けて歯ブラシでこすり、その後ドライヤーで乾かします。その後、コップ1杯の水に小さじ1のクエン酸を混ぜたものをシミの部分にかけてお湯で洗い、すすぎます。

参考:美プロPLUS「【緊急事態!!】美容師の服に付いたカラー剤を落とす方法」

自分で染み抜きできないものはクリーニング店へ

デリケートな素材で自宅での染み抜きができない場合や、自分で染み抜きしたものの上手く落としきれなかったものは、なるべく早めにクリーニング店へ持って行きましょう。衣服への付着力が強いため、一般的なクリーニング店では対応できないこともあります。必ず染み抜き専門のお店に頼みましょう。

カラー剤落とし専用の洗剤を使う

引用元:株式会社野中「ヘアカラークリーニング」

カラー剤を落とすために開発された専用の洗剤をご紹介します!それが株式会社野中より発売されている「服に付いちゃったヘアカラーの汚れを落とす魔法のような液体♪Hair Color Cleaning」です。とても分かりやすいネーミングですね。

カラー剤は含有成分により差はありますが、性質上非常に落としにくいですし、下手に漂白剤を使うと元の服の色まで脱色してしまいます……。しかし、この魔法の液体なら元の服の色はそのままに、しっかりとカラー剤を落としてくれるのです!(※素材によっては色落ち、変色、生地を傷めるなど影響がある場合があります)

この製品は美容師専用のサイト等で販売していますが、現在はAmazonでも取り扱っており一般の人でも購入できるので、カラーリングをする方は美容師に限らず一つ持っておくと良いと思います。

使用方法については販売元の株式会社野中公式サイトをご確認ください。

パーマ液が服に付いてしまった時の落とし方

パーマ液が衣服に付いてしまうと脱色や変色が起きてしまいます。しかし、パーマ液はカラー剤と違って見た目には付着したことが分かりづらいです。そのため、なかなか付着したことに気づかず、時間が経ってから発覚することが多いようです。パーマ液には漂白剤と同じような働きがあります。そんなに漂白力が強くないため、しばらくは見た目に変化がなくても保管している間に色が抜けたり変わったりしてしまうこともあるのです。

まずは、パーマ液が付着したと気づいた時点ですぐに水洗いしましょう。パーマ液であれば透明か乳白色のものがほとんどなので、シミになることなく一度の洗濯で綺麗に落とせます。

パーマ液によるシミを自宅で落とす方法

一度の洗濯で綺麗に落ちれば良いですが、時間が経ってしまうとなかなかそうはいきません。前述したように漂白作用があるので、パーマ液の付着による汚れはシミ抜きに強いクリーニング店で対応してもらうのが望ましいです。ただ、応急処置としてある程度シミを薄くする方法もあるので参考までにご紹介します。

用意するもの

・液体洗濯用洗剤 ※蛍光剤無配合
・タオル
・いらない歯ブラシ(あれば)

落とし方

①乾いたタオルの上に、シミのついた側がタオルに接するように服を置きます。
②少量の洗剤を原液のまま、シミに直接垂らします。シミが広がらないように、シミの周囲に洗剤を垂らして徐々に中心へと移動させるのがポイントです。
③周囲から中心に向かって歯ブラシで叩きます。歯ブラシがない場合は爪の先を使って軽くつまみ洗いしてください。この時、服を傷めないように力加減に気をつけましょう。
④タオルの位置を変えて、シミの色がタオルに付かなくなるまで叩きます。
⑤染み抜きをした部分と周りの境目が目立たなくなるように、水で濡らして絞ったタオルでぼかすように叩きます。
⑥乾いたタオルで水分を吸い取り、自然乾燥させます。

参考:花王マイカジ「衣類のシミ抜き:家庭でできるシミ抜き手順」

パーマ液のシミが落ちない、または脱色されてしまった場合

上記の方法を試してもパーマ液の成分が残ってしまった場合や、服の素材がデリケートで自宅でのシミ抜きが難しい場合はクリーニング店へ行きましょう。なるべく染み抜きに強いクリーニング店を訪ねてください。変色部分を脱色して染み抜きした後に、脱色部分の抜けた色をつくって補色してくれます。同じようにパーマ液の漂白作用によって脱色してしまった時もクリーニング店へ行きましょう。抜けた色に近い色をつくって目立たないように色を入れてくれます。

色落ちや色移りに関する注意

ここまでは落とし方に絞ってご紹介してきました。しかし、そもそも服に付かないようにすれば問題ないですよね。よって、ここからは薬剤が服に付くのを防ぐ方法についてお伝えしていきます。お客様向けの注意事項についても、これらを施術時に確実に伝えることで「服が汚れた」というクレームはある程度防止できるでしょう。

しかし、そうやって万全の対策を取っていたとしても、何かの拍子にお客様の衣服を汚してしまうこともあります。そのような時でもサロン向けの保険に入っていれば、保険会社や制度を運営する美容組合からクリーニング代や弁償代が出るので、まだ加入していない方は万が一の事態に備えて入っておくと良いと思います。

参考:全日本美容業生活衛生同業組合連合会「美容所賠償責任補償制度」

美容師の服に付かないようにする予防策

美容師の服に汚れをつけないようにする一番の方法はエプロンを着用することです。撥水加工のエプロンもあるので安心して使えます。それから、パーマ液の粘度を高くするのも一つの手です。パーマ液はさらさらとして飛び散りやすいので、粘度を高くすることで周りに広がりにくくなります。汚れやすい袖口などには汚れ防止スプレーなどのコーティングを施しておくと、カラー剤などが付着した場合速やかに処置することで汚れが落としやすくなります。

お客様に推奨する服装

カラーやパーマを予約するお客様の中には、自主的に襟元の開いた服や汚れが目立たない服を着て来店してくださる方もいます。こういったお客様のようにタートルネックなど襟元にボリュームがある服や、スーツなどの高級服で来店するのは控えていただくよう、すべてのお客様にお願いするとトラブルの抑制に繋がります。

あらかじめネットの予約ページに「当店ではお客様の洋服等にカラー剤などが付着しないよう細心の注意を払っておりますが、フード付きの洋服やタートルネックなどの襟元にボリュームのある洋服を着用されている場合、濡れたり汚れたりする恐れがございますのでお控えいただけますと幸いです」などと注意書きをしておくと良いですね。

寝る前に髪の毛をきちんと乾かす

髪を染めた直後のシャンプーやトリートメントが十分でないと、髪の表面に残ったカラー剤によって枕カバーや洋服の襟などが汚れてしまう可能性があります。特に、カラーリンスやヘアマニキュアなどは汗や髪に残った水分で色落ちしやすいので、髪を洗う時はしっかり洗い流し、よく髪を乾かすことが大切です。お客様にホームケアの一環として必ずお伝えしましょう。

夏場はカラー直後の汗に注意する

一般的なヘアカラー剤であれば色落ちすることはほとんどありません。しかし、染めた直後に汗をかくと色落ちして服を汚してしまうことがあります。したがって、特に夏場の施術の場合は注意が必要です。また、アルコール成分が多いヘアケア用品を使用することも色落ちの原因になるので、染めてからすぐに使用せずに時間をおいてから使うようお客様にお伝えしましょう。

着色の弱いカラー剤は色落ちしやすい

ヘアカラースプレーやヘアマスカラなどの一時的に染めるカラー剤はもとより、カラーリンスやヘアマニキュアなども一般的なカラー剤より色落ちしやすい傾向にありますが、このことを知らないお客様は少なくありません。雨や汗、プールの水などでも色が落ちてタオルや衣服を汚す恐れがあるので注意喚起をしましょう。また、ヘアトニックやセットローション、スタイリングフォームなどの整髪料を大量に使うことで色落ちすることもあります。

参考:日本ヘアカラー工業会「色落ちや着色」

カラー剤やパーマ液の汚れ対策は普段から取っておきましょう

1,000円カットのようにカット専門のサロンでない限り、美容室とカラー・パーマは切っても切れません。服だけでなく、タオルや道具、座席シートなどサロン内のあらゆるものが汚れるリスクを常に背負っています。ですので、普段からサロンの汚れ対策をしておきましょう。

また、カラーやパーマをする時に使うタオルは毎回洗濯していると思いますが、なかなか汚れや独特のニオイが落ちずに苦労しているサロンもあるのではないでしょうか。そのままにしておくと清潔感がないとお客様に思われて、リピート率が下がってしまうかもしれません。定期的にクリーニングに出したり、塩素系漂白剤が使えるタオルを選んだりすることが大切です。

スタッフの身だしなみや掃除が行き届いているかなど、お客様は細かいところまで見ています。汚れたらなるべくすぐに汚れを落とすように心がけてください。

※今回ご紹介した方法で、全ての衣服汚れを完全に落とせるという保証はございません。カラー剤やパーマ液のメーカーが推奨している方法もありますので、薬剤を使用する前に注意事項や汚れた時の対処法をしっかり理解しておきましょう。