美容師、ネイリスト、アイリスト、エステティシャンに共通する悩み、それはズバリ足のむくみです!一日中立ちっぱなし、あるいは座りっぱなしなので血流が滞り、夕方には足がパンパンに…また、靴を履く時間も長いため、足のニオイに悩む方も多いと伺いました。加えて、立ち仕事をする美容師、エステティシャンの場合は足裏の痛みに苦労する方もいるとか。よって、今回は簡単にできるオススメのセルフケア方法をお教えします!

Beauty Parkに掲載しませんか?

美容サロンのWeb集客を低コストではじめる Beauty Park

※資料請求・審査は無料です

知っておくべき!足のむくみの原因

むくみは血液やリンパ液の流れと深く関係しており、足の筋肉がポンプの役割を担い、余分な水分や老廃物を血液やリンパ液に乗せて体の上部へ押し上げています。むくみはこの血液やリンパ液の流れが滞ることで起こる現象です。そのためむくみは、男性よりも筋肉量の少ない女性や加齢により筋力が低下した高齢者に多く見られます。もう少し詳しく見ていきましょう。

参考:国立スポーツ科学センター「女性アスリート指導者のためのハンドブック-4,性差について」
参考:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「運動機能の老化」

むくみの原因

先ほど、筋肉が少ないとむくみになりやすいと述べました。では、筋肉量が多ければむくまないのかというと、そうではありません。長時間同じ姿勢が続いて、筋肉の動きがあまりない場合にも、やはりポンプの役割を果たせないからです。これにより、上へ流れなかった(=体外へ排出されなかった)水分や老廃物が行き場をなくして血管やリンパ管の外に染み出てしまい、皮膚の下に溜まってしまいます。これがむくみの起こる仕組みです。

また、筋肉だけでなく「冷え」が原因でむくみが起こることもあります。体が冷えるということは血液が隅々まで行き渡っていないということです。長時間プールで泳いだ後に唇が青紫色になっていた、という経験はありませんか?あの状態をイメージすると分かりやすいと思います。体が冷えると、なるべく熱を体外に逃がさないように血管が収縮して血流が悪くなります。その結果、酸素が使われた後の血液が長く一ヵ所に留まり、紫がかった色に見えるのです。

プールの場合は一時的なものですが、慢性的な冷えの場合、血流が悪い状態が長く続いてしまいます。唇や爪が紫とまではいかなくても、血色が悪いなと思ったことはありませんか?心当たりがある人は要注意です!血行不良は、むくみの原因になるだけでなく、酸素や栄養が体の隅々まで行き渡らず、老廃物を溜め込みやすいということでもあります。その結果、肩こりや腰痛、生理痛を引き起こしたり、さらに進行すると髪が薄くなったり、傷が治りにくくなったりしてしまうのです。

本当は怖いむくみの話

「むくみといっても病気じゃないのだし、ケアする時間もないからとりあえずこのままでいいや」

こんな風に思ってはいませんか?それではいけません!むくみの放置は危険です!後々大ごとになってしまうかもしれません。むくみを放っておくとどうなるのか見ていきましょう。

①セルライトができやすくなる

血液やリンパ管の外に染み出した余分の水分や老廃物がむくみの原因だとお話しましたね。実はこれ、セルライトの材料にもなってしまうのです……!セルライトとは肥大化した脂肪細胞のことで、皮膚の表面にぼこぼこと盛り上がってくるため、見た目が悪いと嫌がる人が多いです。

しかし、一度できるとなかなか消えてはくれません。そのうえ、セルライトができるとさらにむくみやすくなってしまいます。老廃物等を吸収して肥大化した脂肪細胞に血管やリンパ管が圧迫され、余計に流れが悪くなってしまうからです。また、脂肪は冷えやすいことで有名ですよね。つまり、脂肪が冷えることで体も冷え、さらなる血行不良を招いてしまいます。むくみ、冷え、セルライトの悪循環の出来上がりです。

②血液が逆流して血栓ができる

逆流が起こりやすい足の静脈には、逆流を防止する弁がついています。しかし、むくみによって血管が正常な状態でなくなると、この弁が壊れてしまうことがあるのです。しかも、一度壊れた弁は二度と元には戻りません……。これにより、血液が逆流して血管内に溜まりやすくなってしまうのです。すると、溜まった部分の血管が膨れ上がり、皮膚の表面に血管がぼこぼこと浮き出る下肢静脈瘤という病気になってしまう恐れがあります。

③体重が増加する

むくむことで本来なら体外に排出されるべき余分な水分や老廃物を体内に溜め込んでしまうので、当然体重が増加します。気づいた時には2~3㎏増えていることが多いようです。また、体重が5㎏以上増加する場合は足だけでなく体全体がむくんでいると考えられ、行き場をなくした水分が胸や肺に染み出し、胸水貯留や肺水腫になってしまうことも……!胸や肺に水が溜まってしまった場合、緊急の対応が必要になることが多いです。

参考:内科・循環器科 柏クリニック「危険な足のむくみ 下肢静脈瘤」

簡単!むくみを解消するためのセルフケア方法

ここまでで、むくみのメカニズムと実態を分かっていただけたかと思います。むくみケアの重要性も感じてもらえたところで、超お手軽なセルフケア方法をご紹介しましょう!

足枕

足にむくみが起こりやすいのは、重力に逆らって血液やリンパ液を押し上げなければいけない分、大きな力がいるからです。つまり、むくみを解消するためには、足を心臓より高い位置に持ってきて流れやすくすることが効果的だと言えます。

そこでオススメなのが足枕!少し足を高くして寝るだけです!これならどんなに忙しくても、めんどくさがり屋でも続けられます◎ただし、足枕の選び方は非常に重要ですから、よく見て選んでくださいね。以下で、選ぶ時のポイントを3つご紹介します。

①高さ

「高い方が流れやすくてむくみが早く改善されそう!」

いいえ、それは間違いです!足枕が高すぎると不安定な姿勢になるため、腰に負担がかかってしまいかねません。足の位置が高すぎるとそもそも血液が行き渡りませんし、冷えや痺れの原因にもなってしまいます。

一般的な目安は以下の通りです。足枕の適切な高さは使用時間によって変わると報告されています。

・15cm:15~20分
・30cm:10分
・45cm:5分

寝る前の数分間や、テレビを見ながらなど、使用する場面に応じて使用時間と高さを考えると良いですね。もし、就寝時に使いたいという場合は10㎝前後の低い足枕がオススメです。寝返りの邪魔にならないような、軽い素材のものを選びましょう。

②形

足枕と聞くと、病院等でたまに見かけるような足首以下を支えるタイプのものを想像するかもしれませんね。しかし、このタイプだと膝や腰に負担がかかってしまうのでオススメできません。むくみの解消に最適なのは、写真のように太ももまでカバーできる、脚全体を乗せるタイプです。足を伸ばすのに余計な力を使って、痛めてしまうことのないように気をつけましょう。

③素材

硬い素材だと神経や血管を圧迫して痺れを起こすことがあります。特に、長時間使用したいという場合は要注意です。柔らかい素材の足枕を選びましょう。その際、柔らかすぎず適度にフィットするものを選んだ方がより高いリラックス効果が得られます。

参考:NHKあさイチ「足枕とむくみ」について

着圧ソックス・弾性ストッキング

最近はメディキュットを代表とした着圧ソックス・レギンス・タイツなどが普及しています。「締め付けたら余計に血流が滞るのでは?」と不安に思うかもしれませんが、このような品はただ闇雲に圧をかけているわけではなく、部位ごとに適した圧をそれぞれかけています。ふくらはぎの筋肉を適切に圧迫できるので、これにより血液とリンパ液の流れが促進されるのです。これも履いているだけで良いので、ズボラさんでも続けられます。

ちなみに、最近では医療用の着圧ソックスや弾性ストッキングがネットで普通に買えるようになりました。あまりにもむくみの程度が酷い場合には、高い効果を持つ医療用の購入を検討しても良いかもしれません。ただし、症状に合った適切なソックスの長さ、圧力があるので、専門医と相談して決めることをオススメします。

むくみの程度を測るめやすはこちらの人気コラム3分で足のむくみ・疲れがスッキリ!柔道整復師が教える美脚術に載っているので参考にしてみてください。

また、むくみに良い食べ物や座ったままできるストレッチを紹介しているネイリスト・アイリストあるある!目の疲れや腰痛・むくみの解消方法もぜひ読んでみてくださいね!

気になる足のニオイと消臭対策

仕事から帰って玄関で靴を脱ぐとむわっと漂う嫌なニオイ……。誰しも一度は経験したことがあるのではないでしょうか?飲み会でお座敷の席に通されたり、友人の家へ遊びに行ったりした時に、足のニオイが気になって靴を脱ぎづらい、なんてこともあるかもしれません。特に女性であればブーツやストッキングなど、ニオイがこもりやすいものを履くことが多いため、余計に気になるのではないでしょうか。

あのキツいニオイの主な原因は足に潜む雑菌です。雑菌が皮脂や古い角質、垢などの汚れを食べると発生します。つまり、足を清潔な状態に保ち、菌が繁殖しにくい環境を整えることがニオイを抑える近道なのです!そのための方法を2つご紹介します。

アルコール消毒

今話題の新型コロナウイルスの感染を防ぐため、アルコール消毒を徹底している人が多いそうですね。企業やレストラン、マンションのエントランス等の施設でも、アルコール消毒をお願いしているところが一気に増えました。

ですが、アルコール消毒はほとんどの人が手にしか行っていないですよね。これを足にもすることで雑菌の繁殖を防ぐことができ、消臭に繋がるのです!お風呂で綺麗に洗った足に、手ピカジェルなどのアルコール消毒剤をすりこむだけ!これだけでかなり悪臭が改善されると思います。手だけではなく足にもアルコール消毒を!

重曹

いくらアルコール消毒をしても、靴や靴下にニオイが染みついていたら元も子もありませんよね。そこで必要なのが重曹です!料理に掃除にとさまざまな場面で使える重曹が、なんと消臭でも活躍します!

使い方は簡単。洗濯をする時にいつもの洗剤の半分を重曹に置き換えるだけ。この時使用する洗剤は合成洗剤ではない、液体タイプのものを選んでください。また、重曹は水に溶けにくいため、できれば風呂の残り湯などのぬるま湯を使ったほうが良いです。

次に、靴の消臭方法を説明します。まずは未使用のティーバッグ(空袋)を用意しましょう。茶葉を入れる不織布です。100円ショップでも手に入ります。これの中に、重曹をスプーン山盛り一杯入れてください。口を閉じたら、靴の中にポンと置きます。一晩も経てば、かなりニオイが緩和されているはずです。この重曹バッグをいくつか用意しておいて、帰ってきたら靴の中に入れるように習慣づけましょう。

これら2つの方法で、もう足のニオイにコンプレックスを抱くことはなくなります!大してお金もかからず簡単にできるので、ぜひ試してみてください!

足の痛みの予防法と緩和法

立ち仕事の人に多い足裏の痛み。もしかしたらそれは足底腱膜炎や足底筋膜炎かもしれません。かかとに痛みを感じたり、土踏まずが痛んだりする場合はこれらの疾患を疑いましょう。朝、起き抜けだけ足が痛いという場合も要注意です。

足裏が痛くなる原因は主に5つ。加齢、長時間の立ち仕事、靴底の固い靴、過度な運動、肥満です。これを踏まえたうえで対策法を述べていきます。

靴底が分厚く、クッション性の高いものを選ぶ

足への衝撃を和らげるために、なるべく地面と足裏との距離が離れると良いですね。その際、衝撃吸収性の高い素材でできた靴だとなお良いです。もし、そのような靴が見つからない場合は中敷きを使ってクッション代わりにしましょう。一口に中敷きと言ってもいろいろあります。自分の足にフィットするものをじっくり探してください。オーダーメイドで中敷きを作るのも良いですね。オーダーメイド品はだいたい1万円前後で作れます。

参考:大きい靴屋「足裏の痛み」

アキレス腱ストレッチ

アキレス腱を動かさない状態が続くと、アキレス腱が硬くなり、縮んで伸びにくくなってしまいます。そうするとアキレス腱が伸びない分、足裏の筋肉が引っ張られて負担がかかっていることがあるのです。これを解決するために一日一回、たったの2分で終わるストレッチをご紹介します!

  • 壁に対して垂直になるよう正面に立って、両肘をまっすぐ伸ばし壁に両手をつける
  • 右足を後ろに一歩下げ、左の膝をゆっくりと前に曲げていく(かかとは床につけたまま!)
  • アキレス腱がやや突っ張る状態で、ゆっくり呼吸しながら1分間キープ
  • 反対の足も同様に行う

アキレス腱は足の組織の中でもかなり重要な役割を持っている場所です。柔軟性の高いアキレス腱であることは、足に関するさまざまなトラブルを防ぐことに繋がり、足の健康を維持できます。道具もいらず、壁さえあればどこでもできるので、スキマ時間などを使って毎日行ってください。

参考:時事メディカル「第15回 「歩くと痛い」は要注意〜ふくらはぎの機能改善でスイスイと〜」

足のケアをして毎日気持ちよく健康に

足は人間の体の中でも特に働き者です。きちんとケアすることで心身ともに健康を保てます。サロンで働く以上、お客様からは「キレイ」や「カッコいい」のお手本として見られることは避けられません。お客様に「さすが!」、「私もああなりたい!」と思わせるような美脚を手に入れるには、日頃のお手入れが大切です。

今回ご紹介したように、ちょっとしたことでも毎日コツコツ続けていれば健康もスタイルもキープできます。ぜひ今日から始めてみてください!