美容サロンの数はどんどん増え続け、いまや美容室だけでもコンビニより数が多いといわれています。そんなサロン飽和時代の今、たいていのサロンはクーポン等を駆使して安さで集客するようになってしまいました。しかしそれではお客様は定着せず、より安いサロンへと流れていってしまいます。そのため、高級サロンへの転換を検討しているオーナーの方もいるでしょう。そこで、高級店が抱えるメリット・デメリットを解説していきます。

高級サロンの定義とは

高級サロンとはどのようなサロンを指すのでしょうか。ただ値段が高ければ良いというわけではありません。高級とは技術・接客・空間・商材、すべてが一流であることです。その高品質さに見合った値段をつけるため、必然的にサービス料金が上がります。つまり、価格は後からついてくるものなのです。

また、高級サロンであるからにはお客様の期待を超えた感動を提供することが求められます。一流のサービスを用意していたとしても、お客様の要望を満たせないものでは意味がありません。お客様が求めているものを的確に捉え、ニーズを満たして及第点。さらにもう一段階上の感動にまで持っていき、顧客満足度を最高にしてこそ高級サロンといえるのです。

高級サロンの特徴

前述した通り高級サロンとはすべてが一流であり、お客様に感動を与えるサロンのことです。しかし、これだけでは具体的にどんなサロンなのかが分かりません。したがって、ここからは高級サロンにはどのような特徴があるのか見ていきましょう。

一人ひとりにかける時間が長い

高級サロンは単価が高いので、売り上げのために数をこなす必要がありません。ですから、時間にゆとりを持って接客できます。カウンセリングにもじっくりと時間をかけることができるので、お客様の悩みを聞き出して適切な施術メニューを提案できるのです。

また、予約時間の前後にも余裕を持たせているため、待たせてしまうこともなければ、次のお客様を気にして焦ることもありません。施術者が万全の状態で対応できるので、お客様にはゆったりと過ごしてもらえます。

フリンジサービス

十分な時間が確保でき、価値に見合ったお金を頂いているため、施術以外の面でも気配りの行き届いたサービスを提供できます。たとえば、サービスドリンクはお客様の好みに合わせて選べるようにいくつか種類を用意したり、一緒に出すお茶菓子にもこだわったりと細かなところまでサービス内容が充実しています。

美容院やネイルサロン、マツエクサロンであれば無料のマッサージも時間をかけて丁寧に行いますし、エステサロンやリラクゼーションサロンならオイルをあらかじめ温めておくなどの気遣いがあるでしょう。

こういった施術以外のサービスを「フリンジサービス」と言います。一方で施術などのお金を頂く対象については「コアサービス」と呼ばれています。つまり、お客様が「これはお金を払っているのだから当然のサービス」、「支払う代金の内に含まれているもの」と考えているものがコアサービスだということです。

したがってどんなにコアサービスが良くても、結局は価格と関係しているため、顧客満足度は最大で100%にまでしかなりません。しかし、フリンジサービス次第では120%や200%の顧客満足度を得ることも可能なのです!

高級サロンはこのフリンジサービスがすみずみまで行き届いています。フリンジサービスの質が上がるほどサロンのブランド力が高まり、サロンのファンになってくれるお客様が大勢出てくるものです。コアサービスをきちんと提供することは大前提ですが、フリンジサービスにも力を入れてさらなる価値を提供するのが高級サロンの特徴だと言えます。

自分だけの空間

高級サロンの多くはプライベートサロンや個室を設けている場合がほとんどです。個室が難しい場合でも半個室にして空間を区切っている高級サロンは多くあります。それは人目を気にせずにゆったりと寛いでもらうためというのもありますが、一番の理由は「自分だけ」と感じられるような特別感を演出するためです。

他のお客様がいたとしても、自分のためだけに用意された空間でありサービスであると思ってもらうことで、よりラグジュアリー感を出すことができます。

特にリピーターのお客様には体質や好みなどをきちんと記録しておき、それらに最も合った方法でサービスを提供したり、空間をカスタマイズしたりすると飽きられることなく喜んでもらえます。

高級サロンのメリット

ここまでで高級サロンがどのようなものなのかは分かっていただけたかと思います。気楽にやっていきたいのであれば一般的な大衆向けのサロンのほうが良いでしょう。しかし、高級サロンは少なからず存在しています。では、経営者側にとっての高級サロンの魅力とは何なのでしょうか。代表的なものを4つ挙げました。ぜひ参考にしてみてください。

①お客様ごとに特別なアプローチがしやすい

高級サロンは空間を贅沢に使うので席数が少なく、前述した通り一人あたりにかける時間が長いので、必然的に客数は少なくなります。ですが、その分趣味や嗜好品のリサーチや把握がしやすいです。また、顧客データの管理も大衆サロンほど煩雑ではないので、今までの施術メニューや購入した店販品などを把握するのも容易になります。

そのため、お客様ごとに適切なプランを提案したり、ちょっとしたサプライズを用意したりと、一人ひとりへの特別なアプローチがしやすいのです。これによってお客様が離れていかない、つまりはリピート率の高いサロンになれます。

②経営が安定しやすい

単価が高いので、一度軌道に乗りさえすれば多少のことでは揺らぎません。サロンの種類によっては閑散期もあると思いますが、そういった時期的な要因にも左右されないのが高級サロンの強みです。

会員制にしたり、コース契約や回数券を積極的に用いたりしているサロンの場合は特にその傾向が強く、一時的な景気の悪化や売り上げ減少が起きたとしても全体への影響は最小限に抑えられます。

③広告費や宣伝費などのコストが抑えられる

先に述べた通り高級サロンはリピート率が高いので、オープン当初のうちにある程度集客すれば大々的に広告を打ち出したり、キャンペーン等を行って宣伝したりしなくても成り立ちます。新規顧客層の開拓など、集客にかける手間暇や予算を削減できるので、コストカットになるのです。

④サロンのコンセプトに合った質の良いお客様が集まる

高級サロンの場合、あるサービスに特化していたり、ニッチな層にアプローチしたりと、ターゲット顧客層をかなり絞り込んでいます。そのため、サロンが求めるターゲット像とぴったり重なる質の良いお客様が集まりやすくなるのです。

また、新規のお客様の多くは紹介で来店することが大半でしょう。そうすると、紹介する側としてはサロンとの関係性や立場を考えると、安易に誰でも紹介するわけにはいきません。紹介する人を選ぶ時点で既にふるいにかけられているのです。そして紹介された側からしても、紹介者の面子を潰すわけにはいかないので安直な言動や行動は控えるでしょう。結果として、高級サロンに相応しい良質なお客様が集まるのです。

高級サロンのデメリット

高級サロンは一度基盤さえできてしまえば、後は安定して収益を上げられる理想のビジネスモデルです。しかし、メリットばかりのおいしい商売というのはありません。ここからは、高級サロンを経営するうえで避けられない3つのデメリットについて説明していきます。

①多額の資金が必須

言うまでもないことですが高級サロンの開業と維持には、普通のサロンよりもずっとお金がかかります。まず、高級感を出すためにはそれなりの広さが必要なので土地代や工事費、賃借料が高くなります。しかも、壁紙や椅子、食器、タオルなどにも妥協できないため、サロン運営に必要な備品を一通り揃えるだけでもかなりの資金が必要になるでしょう。

また、高級サロンの顔に相応しいホームページの制作・管理にもお金が必要です。そして一番の問題は人件費!高級サロンで働けるだけの人材となると、実力のある人を雇い入れるのにもお金が必要ですし、新人を雇うにしても育成するのに少なくないコストがかかるでしょう。

一般的な企業は売り上げに対して人件費が40%以上になると経営が危ういと言われていますが、美容サロンの人件費率は平均約50%です。美容サロンではもともと人件費が支出の多くを占めているので、嵩みすぎないように注意しなければいけません。

ただし、雇用関係の経費については厚生労働省管轄の助成金である程度カバーできる可能性があります。原則として助成金には返済義務がない(=給付される)ので、融資を受けるよりもお得な制度です。国が提示する条件に当てはまるのであれば申請しておいて損はないと思います。美容室やエステサロンなどで申請できる助成金の詳細については助成金アシストをご覧ください。

関連:「申請しないと損をする!美容サロンで使える返済不要の助成金とは」
関連:「経営者は情報を待つだけ!助成金・補助金情報を効率的に収集する方法」

②広い空間が必要

高級感を演出するためには、広い空間を贅沢に使うことが求められます。先立って少し触れた個室を作るなら、なおさら広さが必要です。すると、立地や物件が限定されてきますし、賃借料や工事費、維持費がかさみます。なかには、初期費用やランニングコストを減らすために自宅でサロンを開いている方もいますが、自宅サロンを高級サロン化するのはよほどの集客力がないと厳しいでしょう。また、お金の問題だけでなく清掃などの管理やセキュリティ面の問題もあります。

③新人が育ちづらい

先述したように、高級サロンの場合はリピート客の割合が高い傾向にあります。そしてほとんどのサロンが指名制でしょう。そのため、新人が入ってもなかなかお客様を担当させることができず、雑用やアシスタント業務ばかりしてもらうことになる可能性が高いです。新規で来店したお客様を一回でファンにするだけの技術と接客が身についている経験者であれば、そのような環境でも着実に自分のお客様を増やすことができると思います。

しかし、未経験者を採用した場合は、指名のお客様を得て一人前になるまでに少なくない時間を要するでしょう。なぜなら、どれだけ技術を磨いたとしても、他のスタッフも同じくらい高レベルな技術者揃いなので、差をつける方法は接客しかないからです。

たとえば、美容師がどんなにハイクオリティな仕上がりにしても、お客様の好みやライフスタイルに合うものでなかったり、要望にそぐわないものだったりすれば満足度は下がります。また、お客様は話の聞き方や態度、会話の内容によって「この人になら任せられる」と判断することが多いです。

しかし、接客というのはお客様一人ひとりの好みや状況に合わせて臨機応変に対応していくことが求められます。言葉遣いや立ち居振る舞いなどはマニュアル化して教えることができますが、その先の一対一のやり取りに関しては経験を積んで体得していく他ありません。そのため、美容業界で働いたことのない(あるいは接客経験がない)新人への教育は難しいのです。

高級サロンとして成功しているサロン4

最後に、ビューティーパークに掲載中の店舗の中から成功しているサロンをジャンルごとにご紹介します。良いところはジャンルにこだわらずどんどん取り入れていきましょう。

coo et fuu(クーエフー)

多くの美容室が集まる流行の発信地、表参道に構える人気サロンです。スタッフ全員がスタイリスト歴10年を超えるベテランで、その技術は芸能人やモデルも通うほど。地下にありながらもまったく窮屈さを感じさせない開放感のある店内ですが、シャンプー室は個室のためリラックスして施術を受けられます。

カットも個室で受けたい方のためにVIPルーム完備の徹底ぶり。どんなお客様でも満足してもらえるよう、技術はもちろん、薬剤、接客、すべてにこだわり抜いた一流サロンです。

coo et fuu(クーエフー)

〒150-0001
東京都渋谷区神宮前5-6-5 Path OMOTESANDO no.B2 B1F

Noir Riche(ノアールリッシェ)

「住みたい街ランキング」で常に上位にランクインしているおしゃれな街、恵比寿。その中心である恵比寿駅から徒歩2分の好立地にあるプライベートサロンがNoir Richeです。コンテストでの受賞歴もあり、雑誌に掲載されるほどのオーナーが手ずから施術してくれます。ソフトジェル専門店の謳い文句にそぐわず、艶・強度・モチの良さ、すべてが一級品の最高品質のジェルだけを使用。オープンから10年以上経った今も衰えを知らない人気サロンです。

また、住所を非公開にしているところからも高級感が漂っています。実際、高級レストランやバーなどは完全会員制で住所非公開にしているところが多いですよね。隠されると知りたくなるのが人間の性ですし、期待感も高まります。限られた人しか行けないという特別感と非日常感を上手に演出している好例です。

Noir Riche(ノアールリッシェ)

〒150-0021
東京都渋谷区恵比寿西1丁目(以下非公開)詳細はご予約確定後にご案内致します。

まつげ専門店 エクセレント パレード店

まつげ専門店 エクセレントは、札幌でオシャレに興味がある女性なら一度は聞いたことがある有名サロンです。アイリスト全員が「美容師免許」、「WEAアイスタイリスト技能検定」、「安全衛生管理士」の資格を保持しており、技術力と安全性に定評があります。

目の形や骨格、ヘアスタイル、メイクなどのさまざまな要素を汲み取り、お客様にとってベストなデザインを提案。グルーだけでも67種類用意し、まつ毛の状態や季節、お客様のライフスタイルまで考えて、最適な商材を選んでいます。高品質な商材とトップクラスの技術力で他の追随を許しません。

まつげ専門店 エクセレント パレード店

〒060-0062
北海道札幌市中央区南2条西3丁目 パレードビル5F

BCCパーフェクト

各分野の高級店が並ぶ一等地、銀座にあるBCCパーフェクト。「選んで良かった」と思ってもらえるサロンを目指して、常に目標を高く持ち、技術やサービスの向上に努力を欠かしません。その甲斐あって、20代~60代の幅広い年齢層を獲得しているのと同時に高いリピート率を誇っています。

看板メニューの痩身では、一人ひとりの体質や食生活、健康状態に合わせて、健康的な美しさを手に入れられるようにサポートします。施術の効果をアップさせる自宅でのセルフコントロールも提案しており、指導スタッフの献身的なサポートや確かな技術、最先端の機器……。あらゆるアプローチをして、サロン名の通りパーフェクトな空間とサービスを提供し続ける本格派サロンです。

BCCパーフェクト

〒104-0061
東京都中央区銀座2-8-18 グランベル銀座ビル902

高級サロンで成功するには

高級サロンとしてやっていく道は楽ではありません。しかし、一度軌道に乗りさえすれば安定した経営ができるという多大なメリットがあります。そのためにもコンセプトをしっかりと作りこみ、他のサロンの良いところはどんどん取り入れて最高の施術とサービスを提供することが大切です。

メリットとデメリットをよく踏まえたうえで、どのような方針にするのか決めていきましょう。成功している高級サロンは接客、空間、施術、商材などに強いこだわりを持っています。まずはどんなところにこだわりたいか、これだけは競合サロンに負けないというものは何かを考えてみてはいかがでしょうか。