アシスタント時代に最初に任されるのがシャンプーとマッサージではないでしょうか。サロンによってはお客様へのマッサージサービスを行っていないところもありますが、実は上手く活用すれば集客や売り上げアップにも繋がるものなのです!そこで今回はマッサージを行うメリットや活用方法、そしてマッサージを行ううえでの注意点に焦点を当ててコラムを展開していきます。コストをかけずにリピート率を上げたい方は必見です!
Beauty Parkに掲載しませんか?
※資料請求・審査は無料です
目次
美容院でマッサージサービスをする意味
最近はマッサージサービスをするサロンが少し減ったような気がします。そこで、美容院のマッサージサービスをする目的とは何なのか再度確認してみようと思います。ヘッドスパを除き、美容院でのマッサージは無料のサービスです。果たしてマッサージをする意味は本当にあるのでしょうか。そもそも美容院がどのような場所なのかを考えてみると答えが出そうです。
美容院へ来るお客様はカットやカラー、パーマのために来店してくれます。ですが、それだけが目的かというとそうとは限りません。美容院に限らずサロンというのは、綺麗になるため、理想の自分に近づくために必要な場所であり、リラックスして過ごせるいつもとは少し違う空間だと思うのです。サロンで気持ちよく快適な時間を過ごすことで心身ともにさっぱりリフレッシュでき、全身丸ごと新しい自分に生まれ変わったような気持ちになる人もいるのではないでしょうか。
このことから、お客様にマッサージをサービスするのはより快適な時間を過ごしてもらうため、来てくれたお客様に癒しを提供するためだということが分かります。もちろん、美容師によってはもっと色々な気持ちを込めてマッサージしている方もいると思いますが、この部分は全員に共通していることだと思います。
ではここからさらに掘り下げて、マッサージをすることで得られるメリットを考えてみましょう。サロンや美容師にとってのメリットは大きく分けて4つあります。
顧客単価アップ
先ほども述べた通り、すべての美容院でマッサージをするわけではありません。もっと言えば、同じ美容師でもマッサージをする時としない時がありますよね。時間に余裕がない時にできないのは当然ですが、お客様によってもサービスするかしないかを変えているのではないでしょうか。たとえば、指名で来てくれた方にだけサービスする。もしくは、カットだけでなく複数のメニューを予約してくれた方にだけサービスする。
こんな風に独自でルールを定めてマッサージをしている方もいると思います。
ですが、これはお客様側には開示されていない情報です。これをサロン全体の取り組みとして、「ヘアカラーorパーマのお客様にはマッサージサービスプレゼント」、「オプション追加でマッサージ10分サービス」などと打ち出せば、いつもとは違ったメニューを予約してくれるかもしれません。
また、指名のお客様にだけマッサージサービスをしている場合は、きちんとそのことを伝えたほうが良いです。わざとらしくならないように注意しながらさり気なく「あなたは特別なお客様です」と感謝の気持ちと共に伝えてあげましょう。こうすることで、そのお客様にとっては単なるサービスではなくなります。その先もあなたを信頼して指名し続けてくれるでしょう。
リピート率アップ
現在、全国の美容院の店舗数は年々増していき、オーバーストアと言われるほどの飽和状態にあります。倒産率も非常に高く、サロン生存率という言葉が話題になるほどです。そんな中でも生き残っていくためには他の競合サロンとの差別化が大切になります。その差別化の一つがサービスです。
したがって、マッサージにも力を入れて丁寧に行うことでリピート率向上に貢献することができます。とはいえ、ただマッサージをするだけでは他のサロンでも行っているので、お客様にとってより有意義な時間になるような工夫が必要です。
来店頻度アップ
来店サイクルは人によってある程度決まっていますが、多くの人は2~3か月に一度の来店頻度だと思います。しかし、マッサージというサービスを取り入れることで来店サイクルを早められる可能性があるのです。たとえば、前述したようにカラーのお客様にマッサージをサービスすると打ち出してカラーを始めてくれたお客様がいたとしたら、カットだけの時より圧倒的に来店頻度は早まります。ただ、マッサージをするだけでなく、上手く活用することで利益化にも繋がるのです。
顧客満足度アップ
マッサージサービスは無料のサービスなので、お客様としてはやってもらって損はありません。その無料サービスがお客様のリフレッシュに繋がり、無料以上の価値を感じてもらえたなら「とても素敵なサービスをするサロン」としてお客様に認識されます。自然と顧客満足度が上がって、サロンの評価全体が良くなるでしょう。
マッサージ方法は先輩から代々受け継がれてきたものであることが多く、技術や情報が古い場合が多々あります。たまにはマッサージ関連のセミナー等に足を向けるなどして、新しいマッサージ方法を取り入れるのも良いでしょう。
マッサージをするうえでの注意
マッサージサービスは無料とはいえ、やって欲しくないというお客様もいるでしょう。体に触れられるのが嫌だという方もいますし、ケガや持病があって触れられては困る方もいます。また、女性のお客様の場合は男性スタッフにマッサージを受けることに抵抗があることもあるでしょう。したがって、マッサージを行う前にサービスを希望するかどうか必ず尋ねてください。
それから、美容師はマッサージのプロではないので、逆に肩や首を痛めてしまう恐れもあります。力の入れ具合やマッサージ方法には十分気をつけてください。筋肉の緊張などから体の状態を読み取るのは難しいですが、お客様の体の動きや表情をよく観察して調整しましょう。
売り上げに繋がるマッサージの新しい活用方法
マッサージサービスを最大限に活かすためには他の美容院との差別化を図る必要があります。マッサージの技術を上げるというのも良い手ですが、無料のサービスであるうえ、お客様の美容院へ行く一番の目的は髪を切って容姿を美しくすることです。したがって、美容師としての仕事を第一にしてもらうのが望ましいかと思います。というわけで、ここからは美容師の方々にあまり負担のない新しい施策を5つ提案します!
ドライヘッドマッサージ
ヘッドマッサージ自体はヘッドスパの時はもとより、シャンプー中などに行っている方も多いと思います。しかし、時間やメニューの関係で髪を濡らさない施術を希望するお客様もいます。そんなお客様にドライヘッドマッサージをするのはいかがでしょうか。
近頃は髪を濡らさずに施術するドライヘッドスパ専門店なども登場してきており、その需要は高まってきています。5分程度のサービスだったとしても喜ぶお客様は多いでしょう。また、サロンのメニューにドライヘッドスパを組み込んで、サービスを気に入ってくれたお客様にメニューの案内をするのも良いと思います。
ハンドマッサージ
ネイルサロンではよく見かけるハンドマッサージですが、これもアイデア次第で美容院に取り入れることができるのです!たとえば、カラーやパーマにかかる時間はかなり長く、その間お客様は手持ち無沙汰になりがちです。もちろん、お客様と雑談したり、雑誌を用意したりと退屈させないように工夫はしていると思いますが、そこに価値を見出してもらえないなら単なる暇つぶしになってしまいます。通常のサービスで行う頭部や肩へのマッサージもできません。
そこで考えられるのがハンドマッサージです!体に触れられるのは抵抗があるけれど手なら大丈夫だという方も多いので、お客様側の心理的ハードルも低くてマッサージがしやすくなります。手にはたくさんのツボがあり、体のさまざまな部位に働きかけることができると有名なので、ハンドマッサージ自体の需要も高く、一部のネイルサロンではハンドマッサージを有料メニュー化しているところもあるほどです。
ハンドマッサージを美容院でも取り入れれば、他のサロンとの大きな差別化になりますし、カラーやパーマは時間がかかるからと尻込みしていたお客様も予約してくれるようになるかもしれません!試してみて損はないと思います。
フットケア
フットケアはカラーやパーマに限らず、ヘッドスパ以外のどの施術でも取り入れられると思います。足つぼリフレクソロジーが人気になっているように、足にもたくさんのツボがあって体のさまざまな部位に働きかけることができます。やり方によってはリラックス効果も高いです。フットマッサージを自らの手で行うのは大変でしょうから、フットバスなどを用いると良いでしょう。
無料のサービスとするのも良いですが、オプションとして設定し、一回500円のプチプラメニューとして売り出すのはいかがでしょうか。サロン側としてはたいした手間や労力を割くことなく顧客満足度が上げられ、場合によっては客単価もアップできるので良いこと尽くしです!フットケアについては「サロンの新メニューにオススメ!海外で話題のフットケア」を参考にしてみてください。
マッサージ店との提携
美容師はあくまで髪に関することが専門です。だからマッサージ技術を極める必要はないのですが、その代わりにマッサージの専門職を招いてはどうでしょうか。たとえばマッサージ店が近くにある場合、業務提携を結んでオプションメニューを作り、予約があった場合に来てもらうといった工夫ができます。
あるいは近年増えてきたシェアサロンの異業種版として、マッサージ店に面貸しをしてトータルビューティーサロンとはまた違った趣向を凝らしても注目を浴びそうです。その他、マッサージ経験者をレセプショニストとして雇い入れてマッサージサービスも担当してもらうなども考えられます。
レセプショニストの役割や雇うメリットについては「専用のレセプショニストを雇う意味 サロンを支えるキーパーソン」で説明しているのでぜひこちらも合わせてお読みください。
マッサージチェア
カラーやパーマ、縮毛矯正など施術時間が大幅にかかる場合、ずっと同じ体勢のまま座っていることで腰やお尻が痛くなりやすいです。なかなか言えないけれど不満を抱いているお客様は一定数いると思います。これを解決するために、長時間施術のお客様にはマッサージチェアの座席を案内すると喜ばれるでしょう。マッサージチェアがある美容院はごく少数です。サロンに癒しを求めているお客様に対して大きなアピールポイントとなることは間違いないでしょう!
マッサージやシャンプーが原因でケガすることも!
ここまではマッサージサービスの良い面だけを見てきましたが、最後に気をつけるべき点にも触れておきます。美容院でのマッサージが原因で肩や首などを痛める方がいるということを知っておいてもらいたいからです。
多くの美容師は慣習的にマッサージを習っただけで、人体の構造には詳しくありません。そのため、頭部や頸椎に必要以上の力を入れてマッサージしたり、力を入れる方向が違ったりすることがあります。それが原因で体に不調を感じるお客様が一定数いるのです。SIRABEEの調査によると、約1割のお客様は不調などを恐れて美容院でのマッサージを拒否しています。
また、シャンプー時にかかる首への負担が原因で首を痛めたり、「美容院脳卒中症候群」になったりするケースもあります。美容院にはお客様の安全を保障する義務があるので、このような事態になった場合には損害賠償を命じられることもあるのです。
お客様にマッサージやシャンプーをする際には、普段以上にお客様の様子に気を配ってください。特にマッサージに関してはあくまでサービスであり、その目的はお客様に快適な時間を過ごしてもらうことです。間違いや事故の起こらないように気をつけましょう。
参考:SIRABEE「美容室で客が嫌がる余計なサービス 「絶対に断る」の声も」
参考:ウーマンズラボ「美容院脳卒中症候群とは? 原因・対策・予防法」
マッサージを有効活用してサロンブランディング
マッサージについての認識は変わりましたか?サロンでの決まりだから何となくやっていたという方もいたと思いますが、マッサージは単なるサービスではなく、実はとても意味があるもので有益なのだと分かっていただけたかと思います。やり方を間違えると毒にもなってしまいますが、正しく活用すればお客様にもとってもサロンにとってもメリットが得られるサービスです。
今までのマッサージに対する姿勢を見直し、新しいサービスへと変えていってもらえればと思います。ぜひ今回のコラムの内容を活かして接客に役立ててもらえたら嬉しいです。