売上や単価の向上を目的として店販を行うサロンが多いですが、みなさんのサロンではどのような店販アプローチ・販売工夫を行っていますか?
店販のディスプレイや広告の打ち出しにこだわり過ぎて、セールストークが疎かになっていないでしょうか。
今回は店販を売ることに苦手意識を持っている人でもスムーズに商品紹介のできるコツや、トーク内容の例をご紹介します。

お客様が店販を購入するきっかけと理由

お客様は店販商品を購入するときに、その商品が「使用目的」「配合成分(目的に合う物か)」を第一に考えます。
ですが、最終的に購入を決めるきっかけはサロンのスタッフに勧められたからという理由が一番!お客様の身体の状態にあった商品を提案し、施術で実際に使用・体感してもらって購入をお勧めするという流れが最も購入に繋がりやすいのです。
しかし、購入へつなげるステップの導入である「商品の提案」がうまくいかないときっかけ作りができません。
そこで、商品を企画・製造するうえで大切な五感を使った官能評価(官能検査)で大切にしていることを参考に、商品の売り方のコツやトークのポイントを掴みましょう。

官能評価(官能検査)とは?

官能評価とは人の五感である視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚によって物事を評価すること・その方法です。
化粧品やシャンプーなどの美容品は商品の企画・開発・製造の段階で、この評価が利用されています。この評価方法を利用することで客観的に商品を見直すことが出来、より良い商品の生産が可能となります。

実際に商品を使用するうえで重要視するポイントを押さえることができるので、商品提案の際に応用しましょう。そうすることで、お客様は商品に対する使用イメージが沸きやすく、良い印象を与えることができたら購入に繋ぐことができます。

五感に訴える店販接客

①視覚

美容品のパッケージがおしゃれなデザイン・変わった形状だとついつい見入ってしませんか?実は、人が五感から受ける情報の8割以上が視覚からの情報なのです!
店販の売りはサロンならではの「品質」が一番のアピールポイントなので、見た目だけで判断されるのはちょっと悔しいですね。

しかし、お客様が視覚から興味を得たタイミングを逃すのはもったいないです!施術中にお客様の視線が店販にうつったら提案のチャンスです。見たままの情報を使って声をかけてみましょう。導入としては単純に「あの商品気になりますか?おすすめのアイテムなので、仕上げに使って良いですか?」という声掛けで十分です。「気になりますか?」だけの問いかけだけだと断られやすいので気を付けましょう。

形状に応じて「高級感のあるボトルが洗面台に置いてあると、非日常の気分が味わえますよね」など、購入後に自宅にあるイメージを連想させると購買意欲を刺激できますし、ありきたりな形状やデザインでなくフォトジェニックなデザインだとSNS映えするので、セールストークが盛り上がります!
また、商品の見た目だけでなく、照明の明るさも影響してきます。陳列棚の明るさを変えるだけで商品の見映え・印象が変わりますので、調整してみましょう。

②聴覚

「美容品を聴覚でアピール?」と思った方は多いのではないでしょうか。しかし、意外と聴覚へのアプローチは効果が大きいのです!ふたを開封するときに「パチン」と弾けるような音がしたら驚きますし、チューブからクリームを出すときに「ブリッ」という音が出たら、クリームが飛び散ったのかな?どこか汚れてないかな?と不安になりますし、なによりもそのような音がする商品は使っていて気持ちの良いものではありません。

商品説明時に「音」について触れるのではなく、商品を使用するときに音に違和感を覚える場合は、容器の仕様を見直しましょう。お客様も自分で使うときに違和感を覚える可能性もありますし、使用感の悪いものはリピートされません。

少し話がそれるかもしれませんが、最近動画サイトなどで「ASMR」というジャンルの動画が人気なのをご存じでしょうか?「ASMR」とは音(聴覚への刺激)によって感じる、心地良さなどの感覚のことを示します。人気の音の種類としては、食べ物を食べるときの咀嚼音などがあるのですが、美容室のシャワーの音やカット音も人気だそうです!シャワーヘッドの取り扱いがあるサロンでは「音」に焦点を当ててトークを展開することもできますね。

③嗅覚

ボディークリームやシャンプーには様々な香りが付いています。商品を選ぶ際に香りの好き嫌いを基準に考えることも珍しくありませんし、香りは人体に影響を与える重要なものです!
ラベンダーの香りはリラックス効果を与えますし、柑橘系の香りは爽快感を感じさせます。香りの情報が脳に伝わることで、自律神経系・ホルモン系・免疫系のバランスを改善してくれる効果があるのです。

実際にお客様へ特徴のある香りがする商品を使用する際に「○○の香りはお好きですか?」「何か好きな香りはありますか?などと一言声掛けをし、商品紹介トークのきっかけを作りましょう。強い匂いや苦手な臭いを嗅ぐことで体調を崩す方がいらっしゃいます。もしお客様にとって苦手な香りだった場合は、そのまま使用すると気分の良いものではないので、別の香りのする商品・無香料のものを提案しなおしましょう。

嗅覚は疲れやすい感覚です。香りの強い商品は直接鼻に近づけるのではなく、仰いで香りを嗅ぐようにしましょう。香りを試していただく場合は一度に複数の香りを嗅いでいただくことは避け、お客様の気になる香りを2,3点ピックアップしてご提案することが最適です。

④味覚

聴覚と同様に「美容品に味覚?」と疑問を抱いた方がいらっしゃると思いますが、美容品には、リップやパックなど口に触れるもの・触れる可能性があるものがあります。フェイスパックや顔に塗布する美容品に苦みがあったら使用したくないですよね・・・そのような商品において「味覚」はとても重要なのです!美容品に含まれる成分(香料など)によって苦くも甘くもなります。
美白を謳う商品には抗酸化作用を持つ成分が含まれていますが、この成分は苦みを感じるものが多いのです。

また、よく耳にするアミノ酸やペプチドという成分も、種類や含量によって苦みを感じることがあります。成分を理解しておけば「この化粧水は口に触れると苦みを感じますが、その苦みは抗酸化作用があるので効果が期待できますよ」などと、苦いというマイナスイメージを逆手にとって商品、効能・効果をアピールすることも一つの手です。

因みに、フルーツなどの甘い香りのする香料が使われている美容品は、本来無味のものであるにも関わらず、脳が錯覚してでも甘みを感じることがあります。味覚は香りが伴って初めて感じることができるのです。味覚と嗅覚の関係性における有名な事例だと、かき氷のシロップ!かき氷のシロップは香料が異なるだけで味は同じなのです!前述の嗅覚と絡めてトークに取り入れると面白いですね。

※美容品は体内に入っても問題が無いように製造されていますが、本来食品ではないので、口に触れる可能性のある店販のご提案をする際は誤って口に含まないようにお伝えしましょう。

⑤触覚

最後に肌に触れた時の感覚、触覚についてです。実際の使用感というものは触覚から判断します。触覚により感じることができるものは、トリートメントの塗布のしやすさや、化粧水のしっとり感・さっぱり感、クリームの肌なじみや滑らかさなど、様々あります。皮膚に触れるものはスクラブ等でない限り、滑らかでベタ付かないものの方が使っていて心地よいですよね。

お客様に店販商品をご提案するときはテクスチャーについての表現を用いるとイメージが付きやすいですし、実際に手のひらに出すなどして体感してもらうと、購買意欲を刺激することも可能です。温度で触感が変化するアイテムもありますので、管理方法を守っていただくように説明をすることも大事です。

また、触覚は溶剤だけでなく、容器においても重要です。高齢の方や視力にハンデのある方にとっては、容器に触れることでシャンプーなのか、リンスなのか、ボディーソープなのかを識別します。
識別表示に関しては国際規格化されるとともに、国家規定になっています。誰にとっても利用しやすいユニバーサルデザインであることが今後の高齢化社会において重宝されます!

まとめ

お客様に店販をアピールするのに最適な手段は広告やポップの掲示やディスプレイをすることではなく、トークと実際に使ってもらうことです。押し売りに近い、しつこい店販アピールをすると印象が良くありませんので、お客様があまり乗り気でなさそうな場合は潔く身を引きましょう。

「興味がない」「セールストークは苦手」といったお客様でも、一度でも商品について意識させることで、退店後に「やっぱり紹介してもらった商品欲しいな。次回買おうかな。」という単純接触効果を引き出すことができ、次の来店時に購入に繋がるという可能性もあります。 (ザイアンスの法則)
是非、店販のセールストークに対して億劫にならず、お客様の五感を刺激するような楽しい接客をしてください。

セールストークに踏み込めない場合は、広告やポップをトークへの導入に活用することも一つの手段です。過去の連載コラムで薬機法に基づいて店販が売れる広告作りを提案していますので、是非参考にしてください。

店販の売上を伸ばす技とは?サロン経営に法律を活かす【薬機法その①】
店販売上向上の工夫とは?サロン店販ポップ作成の注意点【薬機法その②】
店販の売り方に応用できる!販売トークや広告のポイント【薬機法その③】
店販比率があがる!ユーザー視点で広告を考える 【薬機法その④】
サロンの店販売上がアップする4つのポイント 【薬機法その⑤】

また、ビューティーパークカレッジでは「店販が売れない!」「他店との差別化を図りたいけど、どうすればよいか分からない」などの、様々な経営に関するお悩みを解決するために、セミナーを開催しております。もし、何かお困りでしたら是非ともセミナー・イベントにご参加ください。