最近では「スメルハラスメント」という言葉もあるほど、においケアについて世間が敏感になっています。接客業ならなおさらのことです。しかし、口臭に代表される体臭は自分ではなかなか気がつきづらいもの……。また、デリケートな問題なので周りからも指摘されにくいです。そのため、普段から対策をした方が良いでしょう。口臭の原因や対策・予防方法についてまとめたので、今後の接客に役立ててください。

口臭を気にする人の割合

引用:マイボイスコム株式会社「【 口臭対策 】に関するアンケート調査」

2018年にマイボイスコム株式会社が行ったアンケート結果によると、約半数が自分の口臭を気にしているそうです。特に女性のほうが気にする人は多く、反対に男性(特に6070代)は気にしない人が多い傾向にあります。

一方、他人の口臭が気になる人は全体の約7割と非常に多く、こちらもやはり女性のほうが気にする場合が多いようです。ちなみに、自分の口臭が気になる人の89割は、他人の口臭も気にする傾向が見られます。

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に女性のお客様が多いです。したがって、口臭ケアは接客をするうえで必要不可欠な身だしなみと言えるでしょう。口臭は身体的嫌悪感を抱く要因の一つであり、口が臭い相手を「生理的に無理」と感じる人も大勢います。口臭のせいでお客様を不快にさせてしまい、失客したなんてことになったら、心理的にも経済的にもダメージが大きいですよね。

とはいえ、この頃は新型コロナウイルス対策としてマスクを着用することが増えました。そのため、口臭意識の変化が強く見られます。マスクをつけると自分の息がマスク内にこもるため、口のにおいを自覚する人が増加し、反対に他人の口臭を気にする人は減りました。あなたもマスクの着用中に自分の口臭が気になったことがあるのではないでしょうか?マスク生活が日常になっている今こそ、口臭ケアを始める良い機会です。正しい原因と対策を知って接客に磨きをかけましょう。

口臭の主な原因4

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口臭にもさまざまな原因があり、原因ごとにケア方法が異なります。ここでは、口臭が発生する主な原因を4つに分類しました。それぞれ簡単に解説しているので、自分に当てはまるものがないかどうか確認してみてください。

生理的口臭

生理的口臭は誰にでもあるにおいで、人やシチュエーションによってその強さが異なります。たとえば、朝起きたばかりの時や空腹時、緊張を感じている時などは、唾液の分泌量が減少して細菌が増殖しやすいので特に口臭が強いです。また、年齢特有のにおい(加齢臭)や、女性であれば月経期間や妊娠時におけるホルモンバランスの変化が原因の口臭もあります。

これらの生理的口臭は歯磨きによって細菌を洗い流したり、食事や水分補給によって唾液量が増加したりすることで改善できます。つまり、生活習慣に気をつけていれば口臭を弱めることが可能です。

飲食物・嗜好品による口臭

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ニンニクやチーズ、コーヒー、酒、タバコなどは独特のにおいがあり、普通の飲食物や嗜好品と違って長時間においが残ります。その強烈なにおいに嫌悪感を抱く人も多いので、このようなものを口にした後は口臭対策が必須です。実際のところ、歯磨きやガム、タブレットなどによってにおいを抑える人がほとんどでしょう。口にしたものや量によっては、これらの方法でも除去しきれないこともあります。しかし、飲食物や嗜好品が原因の口臭の場合は時間の経過とともに消えるので、特に心配しなくて大丈夫です。

病気が原因の口臭

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口臭は病気のサインである可能性もあります。病的口臭の9割以上は口の中にその原因があるそうです。たとえば歯周病、虫歯、歯垢、歯石、舌苔(ぜったい)などが挙げられます。口臭に含まれる悪臭成分は約20種類あり、特に強烈なにおい成分として揮発性硫黄化合物(VSC)というものがあります。

これは硫化水素(腐った卵のにおい)、メチルメルカプタン(腐った玉ねぎのにおい)、ジメルサルファイド(生ごみのにおい)の3種類に分類されるのですが、特にメチルメルカプタンには注意が必要です。腐った玉ねぎのようなにおいがする場合、歯周病が進行している可能性があります。歯周病の原因菌は、メチルメルカプタンを大量に生成するからです。

しかもこれは少量であっても強烈な悪臭を放ちます。悪臭として有名な硫化水素よりも酷いにおいであり、歯周病は放置すると最終的に抜歯しなければならないので、すぐにでも対処しなければなりません。口臭が気になったら悪化する前に歯科医院を受診しましょう。

ただし、まれに鼻やのどの病気、呼吸器系疾患、消化器系の病気、糖尿病、肝臓疾患などが原因で口臭が起こる場合もあるので、歯科医院へ行っても口臭が改善しない場合は耳鼻科や内科などを受診してください。

ストレスによる口臭

近年のストレス社会によって、ドライマウスに悩まされる人が増えています。大きなストレスがかかると、交感神経が働いて唾液の分泌量が減少してしまうのです。ドライマウスは悪化すると舌がひび割れたり、味覚障害を引き起こしたりします。また、唾液には抗菌作用や自浄作用があるので、唾液が少なくなると虫歯や歯周病、口内炎などを発症しやすくなってしまうのです……!すると余計に口臭がきつくなってしまいます。

ストレスを軽減するためには、しっかり自分の時間を取って休むことが大切です。気を許せる人と一緒に過ごしたり、買い物やカラオケなどで気分転換したりすると良いでしょう。

参考:口腔外科相談室「口臭がひどい」

口臭の対策・予防方法10

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口臭の原因が分かったところで、ここで改めて口臭を抑える方法をご紹介します。上記で少し触れた対策も含めて全部で10個まとめました。普段から少し意識するだけでできる方法もあるので、口臭が気になる方はぜひ実践してみてください。正しい対策や予防をして自分の息に自信を持ちましょう。

①歯磨き・舌磨き

口の中を清潔に保つ口腔ケアは非常に大切なことです。口臭の原因となる揮発性硫黄化合物を生み出す細菌を除去することで、口臭を抑えたり、虫歯などの病気を予防したりできます。

歯磨きのタイミングは食後が望ましいです。食後は口の中が酸性になるので歯が溶けやすく、食べかすは細菌のエサになります。食後は丁寧に歯を磨きましょう。1回につき10分以上磨くのが良いとされていますが、忙しくて時間をかけるのが難しいという方は夜だけでもしっかり磨いてください。

その際に使用する歯磨き粉は薬用のものを選ぶと良いでしょう。特に、歯周病菌を減らす効果のあるイソプロピルメチルフェノール(IPMP)や塩化セチルビリジニウム(CPC)、塩酸クロルヘキシジンが含まれるものがおすすめです。また、デンタルフロスや歯間ブラシを使って、歯ブラシでは落とせない歯垢や食べかすを取り除くことも重要です。

舌磨きはまだあまり一般的ではなく、定期的に行っている人は多くありません。ですが舌の表面はザラザラしているので凹凸部分に細菌や汚れが付きやすく、口臭の原因になりやすいのです。舌が白くなっている人は特に注意してください。ただし、汚れをかき出したいからと歯ブラシで強くこすってはいけません。舌が傷ついて余計に細菌が増殖しやすくなってしまいます。ドラッグストアなどに舌磨き用のブラシが売られているので、専用ブラシを使って優しく磨いてください。

参考:モノレコ「歯磨き粉おすすめ17選【歯科医師監修】」

②ガム・タブレットを噛む

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すぐに歯磨きができない時にはガムやブレスケア用のタブレットを噛むのも効果的です。根本的な解決にはならないものの、一時しのぎにはなります。ただし、ガムを噛む場合は選び方に気をつけなければいけません。なぜなら、嗜好品としてのガムは糖類が豊富に含まれているので、口臭を防ぐどころか細菌が増殖してしまうからです。

口臭対策をする場合はノンシュガーのものを選びましょう。特にキシリトール100%配合のガムがおすすめです。キシリトールには虫歯などの原因菌を抑える効果があります。

③口の香水

最近ではマウスウォッシュの一種として口腔内に使える香水が販売されています。ただ、香りの種類によっては風味が苦手な方もいるでしょう。また、一時的に口臭を抑えることはできても、時間が経てば元に戻ってしまいます。予防や対策というよりは応急処置方法として、ガムやタブレットのように使うと良いですね。

④よく噛んでゆっくり食べる

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よく噛んで食べると唾液の分泌が促されるので、口臭予防に効果的です。しっかり噛んで食べることは、歯と歯の間に汚れが付着する原因にもなりますが、それと同時に抗菌・自浄作用を高めることにもつながります。実際、流動食ばかり食べていた人の舌に、分厚い舌苔ができたという例もあるほどです。

舌の表面を白く覆う舌苔は細菌の塊なので、強烈な口臭を発生させます。やわらかい食べ物だけでなく、適度な硬さのものもよく噛んで食べるようにしましょう。よく謳われているように、ひと口につき30回をめやすにしてください。

⑤唾液の分泌を促す食べ物

食事の時は唾液が増えますが、さらに唾液の分泌を促進するために、食べ物にも気を遣ってはいかがでしょうか。唾液の量を増やす食べ物というと一番に思い浮かべるのはレモンなどの柑橘類や梅干しといったすっぱい食べ物。これは酸味を中和するために唾液がさかんに分泌されるからだそうです。

すっぱい食べ物の他に、昆布や納豆に含まれる成分も唾液の分泌を促します。野菜ではセロリやニンジン、ナッツ類ではアーモンドなども唾液の量を増やすのに効果的です。日々の食事に取り入れることで、口臭の抑制が期待できます。

参考:日本訪問歯科協会「唾液を増やす心がけ」

⑥こまめな水分補給

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こまめに水を口に含むことで、口の中を乾燥から守り、唾液の分泌を増やすことができます。喉が渇いた時以外もこまめに水分補給するようにしましょう。ただし、飲み物であれば何でも良いというわけではありません。ジュースなどの糖分を多く含む飲み物は、虫歯等の原因になるのでNG。お茶は唾液の分泌を抑制するので不適切です。コーヒーは口の中を酸性にするので歯が溶けやすくなり、舌苔にも付着しやすいので避けましょう。また、お茶やコーヒーは空腹時の生理的口臭を強くする働きがあります。

したがって、水分補給をする際は、水または糖分や炭酸を含まないスポーツドリンク、経口補水液を飲むのがおすすめです。

⑦保湿ケア

口腔ケア製品には、口内に塗布できる保湿剤があります。ドラッグストアやネット通販で購入できる保湿剤は大きく分けて3種類。持ち運びに便利なスプレータイプ、保湿効果が高く持続時間の長いジェルタイプ、口内を洗浄しながら保湿もできるマウスウォッシュタイプがあります。ライフスタイルや乾燥度合いに応じて選ぶと良いでしょう。

外出中はスプレータイプ、自宅ではジェルタイプといったように併用するのもおすすめです。口の中の潤いが保たれることによって細菌の増殖を防ぎ、口臭を抑えることができます。

⑧口呼吸から鼻呼吸へ

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口の形や前歯の生え方などの要因によって、無意識のうちに口呼吸をしてしまう人がいます。口呼吸は虫歯や口臭だけでなく風邪やアレルギーの原因にもなるので、早急な改善が必要です。口呼吸を治すためには、口を閉じるための筋肉を鍛えると良いでしょう。具体的には奥歯を使ってよく噛むこと。

この時、片側だけで食べ物を噛まないように注意してください。また、いびきをかく人は睡眠時に口呼吸になっていることが多いです。そのような人は医療用テープを口の中央に縦に貼ってから寝ると、口呼吸の改善につながります。

⑨部屋が乾燥しないようにする

乾燥した室内にいると口の中が乾きやすくなります。そのため、部屋の中の湿度にも気を配ると良いでしょう。冷房や暖房の設定温度や風量に注意し、加湿器などを使いながら室内が乾燥しないようにしてください。室内の適正湿度は40~60%とされています。

40%を切ると口内だけでなく目や肌も乾燥する他、ウイルスが活性化してしまうからです。また、60%を超えるとカビやダニが発生しやすくなります。湿度計を活用しながら上手く湿度管理をしましょう。

⑩歯科医院を受診する

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口臭の原因のほとんどは、口の中にあります。口内の原因を取り除き、正しいオーラルケアを知ることで講習を改善することができるのです。そのためには歯科医院を受診することが一番です。歯科医院で虫歯や歯周病の治療を受けたり、歯石を取ってもらったりして口臭の原因を除去します。

また、適切なブラッシング方法などを教えてもらうことで口臭の予防に役立てられるでしょう。口内の健康は身体全体の健康にも影響します。健康診断と同じように、特に問題がない場合でも定期的に歯科医院で検診を受けるのがおすすめです。

かかりつけの歯科医院がない方は、ぜひ下記のサイトを活用してみてください。全国にある70,000件以上の歯科医院が掲載されている歯医者検索サイトです。エリアや症状、治療内容など条件を絞って、自分に合った歯科医院を探せます。

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口臭ケアは目に見えない身だしなみ

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接客中のエチケットとして、におい対策は非常に重要です。美容サロンは他の業種と比べてもお客様と接する時間が長いので、十分に気をつけなければいけません。どんなに技術が高くても、どんなに丁寧な接客をしても、口臭がきついせいでリピーター確保の機会を逃してしまいかねないからです。また、サロンのスタッフで口臭が気になる人がいたら、変に気を遣わずにきちんと指摘してあげましょう。それが本人のためであり、サロン全体のためにもあります。

お客様にサロンでの時間を快適に過ごしてもらえるよう、今日から口臭ケアを意識してみてください。

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