10月3日木曜日に、東京都主催の医薬品等広告講習会に参加させていただきました。
広告関係者向けの講習会ですが、サロン経営やOEM・店販商品を取り扱ううえで留意すべき法律・広告基準などについての説明があったので、レポート形式でご紹介・解説をします!

医薬品等広告講習会とは?

東京都福祉保健局健康安全部薬務課が毎年開催している広告基準についての講習会です。
東京都に所在する広告関係団体、広告代理業者及び広告媒体関係者が参加対象となっています。薬機法(旧薬事法)や各広告基準の基本的な説明や注意点、最近の広告違反事例の紹介と解説があり、最新の情報が多く得られ、大変勉強になる講習会です。

この講義の広告の対象は医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品、健康食品、美容・健康器具(雑貨)など幅広いです。
毎年応募者が殺到する講習会で、今回の講習会にはなんと約700名もの人々が参加していました!

講習会の実施内容

今年度の講習会は、以下のような内容でした。

1. 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「医薬品医療機器等法」という。)第66条(医薬品等の広告に関する規制)及び医薬品等適正広告基準の解説
2. いわゆる健康食品、美容・健康器具の広告に関わる医薬品医療機器等法第68条上の留意点
3. 最近の広告違反事例
4. その他(質疑応答)

配布資料:東京都福祉保健局「医薬品等広告講習会 資料」

講習会は、「健康食品」と「医薬部外品・化粧品・医療機器」に分けてそれぞれ薬事法の観点からの留意点や、都に相談があった最近の事例について担当者が説明してくれました。

そもそも「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」って何?といった疑問をお持ちの方は、薬機法連載コラム店販の売上を伸ばす技とは?サロン経営に法律を活かす【薬機法その①】をご覧いただくと、以下の講習内容の理解度が深まります!

具体的な講習の内容については、各美容サロンにも関係性のある事案についてピックアップしてご紹介します!

インターネットの広告について

「インターネット上での表示(広告)についても、医薬品医療機器等法(薬機法)による規制対象となり、ウェブ上のページが例であっても、リンクしている場合には、一連の広告とみなす。」と定義されています。
インターネット上の表示(広告)はウェブサイトだけでなくSNSも対象となっていますので、インフルエンサーを使った広告・宣伝活動にも十分注意が必要です。
また、サイトに購入を促すような文言がなくても、広告サイトのリンクがあるだけで規制対象となります!

「低刺激性」などの表現について

科学的根拠があり、安全性の強調とならない限り、低刺激性についての訴求が化粧品以外にも使用可能となっています。安全性の保障する表現として、「副作用が一切ないので安心してお使いください」や、「アトピー性皮膚炎やアレルギー性肌の人にもお勧めします」「赤ちゃんやお年寄り、敏感肌の方も安心です」といった表現はすべてNGなのでご注意ください!

髪・毛に関する製品(外用剤)について

殆どのヘアサロン・美容室では外用剤の店販を取り扱っていると思います。
育毛・薄毛・脱毛の予防・発毛促進剤〈育毛剤・養毛剤等〉の効果効能を謳えるものは「医薬部外品」だけですので、「化粧品」の扱いになる商品や、パッケージに「医薬部外品」の表示がない商品の広告・POPに表示するのはNGです

まつ毛美容液を標榜する化粧品等の安全性確保について

インターネット通販サイトやアイラッシュサロンで取り扱いの多い「まつ毛美容液」ですが、近年この「まつ毛美容液」に関する危害情報の報告が大変多く、厚生労働省や独立行政法人国民生活センターより注意喚起がなされています!
独立行政法人国民生活センター調査したところ、頭髪への使用を想定して医薬部外品として承認された育毛剤が、そのまま「まつ毛美容液」として販売されていたことが発覚しています。

化粧品である「まつ毛美容液」には「医薬部外品」や「薬用」と表示することはできません。まつげ美容液なのに育毛効果をうたうことは違法ですので、サロンで取り扱っている「まつ毛美容液」について確認をしましょう!

参考:厚生労働省2019年8月8日掲載「まつ毛美容液を標榜する化粧品等の安全性確保について」

質疑応答の内容

講習会では医薬品等の広告についての質疑応答がありました。休憩時間に質問用紙の回収があるので、提出をしておくと、東京都福祉保健局の担当者の方が、質疑応答の場で一部返答・解説をしてくれます!
今回返答のあった質問とその解説をピックアップしてご紹介します。

【質問】広告(テレビコマーシャル)で使用者の声が使われているのをよく目にしますが、「うるおった」「お通じが良くなった」といった文言は薬機法に反しますか?
【回答】化粧品についての使用者の声の場合、使用者の使用感としての「うるおった」という表現ならOKです。しかし、健康食品についての使用者の声における「お通じが良くなった」はNGですのでご注意ください。

【質問】「○○大学と共同で・・・」という権威付けは問題ありませんか?
【回答】化粧品等の広告に関する事例については、医薬品等適正広告基準第4の10の医薬関係者等の推せんに抵触するため、「大学との共同研究」の記載はNGとなっています。また、「大学との共同研究」と記載することにより広告全体として効能効果の逸脱となる場合は、医薬品等適正広告基準第4の3(1)もしくは3(2)に抵触するのでNGです。

【質問】研究結果を広告で大きく打ち出してもよいですか?
【回答】効能効果を保証したと捉えられるためNG

東京都からの案内リンクまとめ

以下、東京都より案内のあった、医薬品等の広告規制及び健康食品についての解説ページです。
もっと詳しく知りたい・理解を深めたいという方は是非ご活用ください。

【広告規制】
東京都福祉保健局「医薬品等の広告規制について(医薬品医療機器等法)」

【健康食品関係】
東京都福祉保健局「健康食品の取り扱いについて」
東京都福祉保健局「物の成分本質(原材料)について」(食薬区分リスト)

まとめ

今回のコラムでは、基本的な薬機法のおさらいと、最新の違反事例についてご紹介しました。

効能・効果の範囲は狭く制限され、大変複雑です。実際に広告を打ち出す際に「あれ?この表現は薬機法に違反していないかな?」という意識づけができると、法違反のリスクを抑えることができますので、覚えていて損をすることはありません。法令を順守することでサロンの店販商品の良さを的確に引き出し、お客様に正しい情報を伝えることが出来るので、サロンへの信頼も高まります!

次回の講習会に参加したいという方には、予備知識・基本的知識として知っておくと便利な情報をまとめた記事がありますので、是非一度ご覧ください。「そもそも薬機法って何?」「美容サロンに関係があるの?」「どのようなものが広告規制されるの?」といった疑問をお持ちの方も分かりやすいようにまとめてあります!下記リンクをご参考ください。

店販の売上を伸ばす技とは?サロン経営に法律を活かす【薬機法その①】
店販売上向上の工夫とは?サロン店販ポップ作成の注意点【薬機法その②】
店販の売り方に応用できる!販売トークや広告のポイント【薬機法その③】
店販比率があがる!ユーザー視点で広告を考える 【薬機法その④】
サロンの店販売上がアップする4つのポイント 【薬機法その⑤】

※当記事は執筆時(201911月現在)施行されている法律に基づき、関連参考資料を精査したうえで作成しております。法律の改正が生じた場合・法に違反する内容があると発覚した場合は予告なく記事の修正または削除を行います。ご理解のうえお読みください。

※表現に関する内容は解釈により異なる可能性があるため、広告表現のチェックに関する質問の回答は出来かねます。正確な回答は厚生労働省 医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課、または、各都道府県の薬務課で確認されることをおすすめします。