あなたのサロンにはレセプショニストがいますか?近年施術スタッフに受付を任せず、専門のレセプショニストを雇っている美容院やネイルサロン、エステサロンなどが増えています。レセプショニストは事務作業だけでなく、スタッフのサポートからお客様の対応まで多様かつ重要な業務を担っており、順調なサロン経営において必要不可欠な存在なのです!今回は経営の要でもあるレセプショニストの役割と必要性をご紹介していきます。

レセプショニストとは

レセプショニストは英語由来の言葉でreception=受付をする人を指します。美容サロンで専用のレセプショニストがいるところはまだまだ少数派ですが、ホテルのフロント係や病院の窓口にいる受付係の方をイメージしてもらえれば分かりやすいのではないでしょうか。

お客様が一番初めに顔を合わせ、会話をするのがレセプショニストなので、サロンへの印象を左右するとても重要な役割です。来店受付や荷物管理、注意事項などの説明やウェルカムドリンクなどのサービス提供、予約管理、電話対応、会計など、その業務は多岐にわたります。

仕事内容は多様ですが、レセプショニストは誰でもなれる職業です。特別な資格等はないので、未経験で始めた人も数多くいます。ただし先ほども述べた通り、サロンの第一印象を左右する、いわばサロンの顔と言っても過言ではない重要な役割を持っているのがレセプショニストです。

したがって身なりはもちろん、立ち居振る舞いや言葉遣いがきちんとしている人、つまり接客マナーが身についている人でないと難しいでしょう。また、顧客管理や予約管理をデジタルで管理しているサロンが多いため、ある程度パソコンやネットが使えることが求められます。

レセプショニストは本当に必要?

上記に挙げた仕事内容は既にアシスタントが兼任していたり、サロン内で役割分担をしたりして賄えているところも多いと思います。ですが、レセプショニストを募集する求人広告は後を絶ちません。機械化も進んでいる現在、なぜ美容サロンにおけるレセプショニストの需要が高まっているのでしょうか。それは専用のレセプショニストがいることで、本来の仕事により力を注ぐことができて業務の効率化が図れるからです。

サロンによっては宣伝や採用などに関わるプレス業務や、売り上げ管理などの重要な仕事を任せているところもあります。また、次回の予約促進や店販の提案を行うなど、レセプショニスト自身がサロンの売り上げやリピート率の向上に直接貢献しているケースも。さらにはプレカウンセリングを行って、それぞれのお客様に合ったスタッフを紹介している敏腕レセプショニストもいます!

また、今後は外国人のお客様も都市部を中心に増えてくると思われるので、語学力の高いレセプショニストも必要になるでしょう。事実、昨年(2019年)の外国人入国者数は約3,119万人で過去最高を記録しました。

特にインバウンド需要がすさまじく、旅行消費額(総額)は48,135億となり、7年連続過去最高を更新しています。ちなみにインバウンド需要とは主に旅行や観光目的で日本にやってくる人々、つまり国外からの需要と消費のことを指しています。

2020年は新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)によって訪日外国人観光客は著しく減っており、3月度は前年比93%減と過去最大の下落を記録しています。ここ半年間は減少する一方のため、旅行消費額どころか世界経済も落ち込むことが予想されます。

ですが、この問題が収束して2021年に東京オリンピックが開催されるとなれば、再び外国人消費は活性化するでしょう。彼らが主にお金を費やすのは宿泊費や買い物代ですが、娯楽・サービス費の需要も若干高まっています。「モノ」消費から「コト」消費へと需要が移っていくにつれて、安心・安全で技術力も高い日本の美容サービスを受けたいとサロンを訪れる外国人のお客様も一定数いるのです。

特に旅行消費額が多いのは中国で、全体に占める割合はなんと36.8%!次いで台湾、韓国、香港と日本の近隣の国や地域が続き、これら4か所だけで全体の旅行消費額の64.4%を占有しているのが現状です。この数値に着目し、彼らのニーズに対応した中国向け日本美容専門情報メディア「BeautyPark玩美花园(中国語サイト)」もできました。興味のある方はインバウンドビューティー集客支援プロジェクトをご覧ください。

さて、少々話が逸れましたが、外国人(特に中国人)のニーズの高まりに合わせた外国人顧客の誘致や売り上げアップ、リピーター促進などを考えると、サロンの規模の大小を問わず、専用のレセプショニストが必要になってきます。業務効率化なども鑑みると、レセプショニストがいるかいないかでサロンの経営状況は大きく変わると言えるでしょう。

参考:美容室の受付/レセプションの求人/バイト情報|美受(ビージュ)
参考:法務省「令和元年における外国人入国者数及び日本人出国者数等について(速報値)」
参考:国土交通省観光庁「2019年の訪日外国人消費動向調査」(pdf)
参考:毎日新聞「3月の訪日外国人旅行者93%減 東日本大震災時の下落下回る 新型コロナで」(2020/4/15)

レセプショニストの役割

これだけではまだレセプショニストの役割や必要性を具体的にイメージできないかもしれません。それではレセプショニストに任せられる仕事内容について、もっと詳しく見ていきましょう。主な仕事を6つに分類しました。以下の業務はすべてのサロンで行われているわけではありませんが、こんなこともできるのかと参考になるものもあると思います。

事務作業(管理)

こまごまとした雑務や清掃は割愛し、ここでは重要な4つの管理について説明します。

1つ目はスタッフのスケジュール管理です。スタッフのシフトを把握・管理することはレセプショニストの大切な仕事の一つです。シフトの作成まで任せているところは少数派だと思いますが、スケジュール管理は仕事をするうえで欠かせません。

というのも2つ目の重要な管理である、正確な予約管理に必要不可欠だからです。インターネットを活用した宣伝や予約が主流の現在、複数のポータルサイトや広告に掲載しているサロンは珍しくありません。したがって、各媒体からの予約日時やメニュー、クーポン、指名の有無などを把握してスケジュール調整をしつつ、予約を管理することが求められます。

3つ目は売上管理です。これはただ売上金額を計算・把握するだけではありません。支出金や内訳などまで把握し、目標の売上高を達成できるように分析することが必要です。数値化は何事においても非常に重要な役割を果たします。売上高や仕入れ金額、人件費などのデータを集計し、サロンが抱える問題を見つけ出して対策を立てていくことができるからです。

対策を講じるところまでレセプショニストが負う必要はありませんが、データ入力や集計はレセプショニストの仕事です。これが正確でないと、いくら経営陣が対策を取っても空振りしてしまいます。したがって、オーナーや店長などが忙しい業務の傍らに作業するよりも、レセプショニストに任せたほうが正確さは上がるでしょう。

最後の4つ目は在庫管理です。サロンで使用する道具や薬剤、店販の在庫数を把握して足りない分は発注をかける必要があります。これらを適切に記録・管理することで、なかなか動きのない店販や使用頻度の少ない薬剤などを除外してコストカットをすることができます。あるいは、お客様に好感触な店販のポップを作って、さらに売れ行きを良くすることもできるでしょう。

電話対応

施術中のスタッフや他の業務があるアシスタントが電話に対応するとなると、その間は作業が止まってしまいます。電話予約や簡単なお問い合わせならまだ良いですが、クレーム対応や提携企業・メーカーからの電話だった場合、少なくない時間を要しますし、無下に扱うわけにもいきません。しかし、レセプショニストがいれば電話対応を任せることができるので、手を止めることなく施術に集中できます。

さらに、空いた時間があればお客様へのアフターフォローの電話や、しばらく来店のないお客様に再来店を促す電話などもできるので、リピート率を上げることにも貢献します。

広告・宣伝・採用

サロンのホームページやブログ、SNSの管理や更新もレセプショニストが主体となって取り組むことで、スタッフはそれぞれの仕事に集中できます。その他、チラシ広告の打ち出しやメルマガの配信、口コミへの返信やサンクスレターの投函などもレセプショニストの業務として考えられるでしょう。

また、求人広告を出したり、面接前の受付やお問い合わせに対応したりすれば、オーナーの仕事を分担できで業務全体の質が上がります。

プレカウンセリング

レセプショニストが出産・育児などで引退した美容業界の経験者である場合、プレカウンセリングを任せられることもあります。指名がいないご新規のお客様などには、その時の状態や要望をヒアリングしたうえで、適切なスタッフを紹介することもあるそうです。これにより、顧客満足度を引き上げることに貢献できます。

プレカウンセリングは接客スキルだけではなく、専門的な知識も必要になるので、誰でもできるわけではありません。その分、給与面や福利厚生の面で優遇されているケースが多いようです。

接客

出迎えに始まり、ウェルカムドリンクやブランケットの提供、雑誌の取り替え、会計、見送りと、お客様と関わる場面は非常に多いです。場合によっては帰り際に次回の予約案内することもあるでしょう。施術をしないレセプショニストは接客がすべてです。「スタイリストやエステティシャンの技術で驚かせ、レセプショニストの接客で感動させる。」このようにサロンスタッフと二人三脚でお客様に向き合うのが理想の形です。

+αの提案

プレカウンセリング時や会計の時などにプラスで何か提案する力も必要です。たとえば、メニューやオプションサービスが多い場合は、別のメニューでの変更あるいは追加をしたほうがお客様にとってより良い結果を引き出すこともあります。

また、お客様の施術後の具合を見て適切な店販を提案するのも大事なことです。自宅での仕上がりやモチを良くするという点から考えると、顧客満足度の向上のためには欠かせません。サンプルの配布を行っている場合は、お客様ごとに合ったサンプルを選ぶことが重要です。

参考:re-quest/QJナビ「レセプショニストの仕事を知っていますか? 都内人気サロンに勤める美人レセプショニスト座談会」

レセプショニストに向いている人

誰でもなれる職業ながら、誰でも満足にこなせるわけではないことが分かっていただけたかと思います。そこでレセプショニストに適性のある人の特徴をご紹介するので、雇い入れを検討している方は採用する際の参考にしてみてください。

・美容に関心が高い
・視野が広く、全体を見ることができる
・主体性がある
・学習能力が高い
・気配りができる

礼儀正しい言葉遣いやTPOに即した身なり、ある程度の電話対応スキルなどは大前提であるとして、レセプショニストに向いている人柄を5つ挙げました。

サロンという美容トレンドの発信地にいる以上、美容に興味があることは絶対です。お客様から美容に関する悩みや質問をぶつけられた時に対応できるだけの知識を持ち合わせていること、あるいは美容に関する事柄を学ぶ意欲が求められます。

そして、サロンの状況や一人ひとりのお客様に合わせて臨機応変に動く必要があるので、広い視野と主体性は必須です。また、レセプショニストの仕事内容は多岐にわたるため、覚えることは次から次へと降ってわいてきます。したがって、高い学習能力と実行能力が備わっていないと難しいでしょう。

その他の点としては、秘書検定やビジネス実務マナー検定の資格を取得していると、接客スキルに関しては申し分ないと思います。業種は異なっても接客経験がある場合も同様です。それから、美容業界に携わった経験がある人だと一から教える必要がないので教育コストが抑えられますし、何かと頼りになります。

円滑なサロン運営に欠かせないレセプショニスト

レセプショニストの仕事や必要性は伝わったでしょうか?この職業は美容業界に限らず、数多くの業界で需要が高い職業です。つまり、それだけレセプショニストが重要な存在であるということを示唆しています。

美容サロンにおいては、スタッフが施術に集中できるようになって業務の効率化が図れるだけでなく、リピーター確保やクレーム防止にも一役買う重要な人材です。スタッフの成長や顧客満足度の向上、サロンの業務拡張のためにも、ぜひ専用のレセプショニストを雇い入れてみてはいかがでしょうか。

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