いよいよ2019年10月1日より消費税率が8%から10%に引き上げられます!
みなさんのサロンでは消費税増税に向けた対策は進んでいますか?
施術料金やサービスの見直し、テナント賃料などの経営における経費など、様々な面で対策をしなければ今後の集客や売り上げに大きな影響を与えます。
この記事では消費税増税の目的から、サロン経営におけるメリット・デメリットを挙げつつ対策法をご提案します。

消費税増税の目的

日本で生活をしていくうえで切っても切れない税金。税金には住民税や所得税・法人税など様々な種類があります。では、なぜそれらの税金ではなく、消費税の引上げを行うのでしょうか?消費税は、特定の人に負担が集中することなく、平等に負担する税金であるため、財源の確保に適しているのです!

今回、消費税率を引き上げることによる増収分は、すべて社会保障に充てられ、待機児童の解消や幼児教育・保育の無償化など子育て世代のためにも充当し、「全世代型」の社会保障に転換されます。

消費税率が引き上げされるとどのような影響がでるのか?サロンのメリット・デメリット

「消費税率の引き上げ」あまりこの言葉に良いイメージを受ける人は少ないのではないでしょうか?
増税における社会的なメリット・デメリットをいくつか例に挙げ、サロンにどのような影響があるのか考えてみましょう。

メリット

・社会保障の充実化
⇒待機児童の解消や幼児教育・保育の無償化など子育て世代に対する保障が進むので、出産や子育てのためにサロンで働くことを諦めた母親世代が、仕事に復帰しやすい・働きやすい制度の整備が期待されます!人材不足に悩んでいるサロンでは、職場復帰を考える女性の為にも雇用制度を確立・見直すのはいかがでしょう?

・公共事業の増加
⇒まちづくりなどの地方での公共事業が進むと、移住者や観光客の流入が生じることで新たな顧客の確保が期待できます。インバウンド対応のできる整備もすれば、訪日外国人による新たな売上や顧客の確保も可能で、売上減少をカバーできるかもしれません。

・被災地の早期復旧
⇒復旧が進むことで震災の影響で経営を断念したサロンなどは、経営再開が出来るようになるかもしれません。被災地から離れて暮らす人々が地元に戻るようになれば、顧客の増加も期待できます。

デメリット

・金銭的負担
⇒サロン経営をしているオーナーにとっては、増税対策の設備投資など金銭的な負担がかかることになります。景気悪化の恐れもあるので、経営面での影響が否めません。

・消費活動・購買意欲の低下
⇒生活面で困窮した消費者は出費を抑えようと、財布の紐が固くなってしまいます。購買意欲の低下により、サロンでは「いつもの施術より1ランク下の安いメニューで我慢しよう。」といった単価の減少が懸念されます。

・駆け込み需要後の売り上げ低迷
⇒消費者は出費を抑えるために「消費税の上がる前に(高価な)買い物をしよう!」と考え、増税直前の需要が高まります。その反動で増税直後は閑散期に入るため、売上が伸びず経営面に負担がかかります。

増税におけるメリット・デメリットを理解すれば、経営悪化に陥る前に十分な対策が出来ます。
悪い影響だけを懸念するだけでなく、いかにその影響をチャンスに、売上向上のきっかけにするかが重要です。

すべてのサロンに関わる「軽減税率制度」とは?

令和元年101日から軽減税率制度が実施されます。
増税の話題で必ず注目を浴びるのがこの「軽減税率制度」。具体的にどのような内容なのでしょう?

消費税率を引き上げるにあたって、所得の低い方々への配慮から、飲食料品(お酒・外食を除く)等の購入にかかる税率については8%とする制度です。家計への影響を緩和するというメリットがあります。軽減税率の対象品目は、飲食料品(お酒・外食を除く)・新聞(定期購読契約された週2回以上発行されるもの)と定義されており、購入した商品・サービスによって、税率が異なることとなります。適用税率はレシートで確認出来るようにしなければいけません。

軽減税率制度実施前後のレシートのイメージ

軽減税率制度実施前後のレシートのイメージ

引用元:財務省「消費税率引上げについて」

消費税率が標準税率10%と軽減税率8%の複数税率になることから、仕入税額控除のために保存が必要となる請求書等が変わります。速やかに対応・準備する必要がありますので、まずは「経営しているサロンでどのような対応が必要となるか」について確認することが重要です。

つまり、エステサロンやリラクゼーションサロンで店販されるサプリメントなど『健康食品』も軽減税率の対象となるのです!
医薬品・医薬部外品に該当しない「食品」の扱いとなりますので、これらは消費税が8%となります。お客様に渡す領収証やレシートにも税率を記載する必要がありますので、サロンによっては、新しいレジの導入などをしなければなりません。

また、食品の販売をしていない美容室はレジの導入は不要でも、消費税の軽減税率制度は無関係ではいられません!施術の合間などの待ち時間にお客様にドリンクやお菓子などのサービスを提供されているサロンが該当します。

軽減税率制度の適用対象となる飲品等の販売がない事業者の方も、飲食料品等の仕入れがある場合には、帳簿上、軽減税率対象である旨を明記する必要があるのです。つまり、食品を売ることはなくても、買う側で処理が必要となります。サービス提供のドリンクやお菓子は経費(仕入税額控除)の面で軽減税率の対象です。

領収証に軽減税率の対象品目が記載されるようになるので、項目を確認しなければならず、帳簿を記載する際には税率が異なるごとに記載する必要があります。

参考:国税庁「消費税の軽減税率制度に対応した経理・申告ガイド(令和元年6月)」

サロン経営に関係ないと思われがちな軽減税率ですが、読み解くと殆どのサロンで関係してくるのではないでしょうか。まだまだ対策が出来ていない!というサロンオーナーの皆様に朗報です。全国で税務署による消費税軽減税率制度説明会が開催されていますので、是非参加することをお勧めします!

参考:国税庁「令和元年10月1日から消費税の軽減税率制度が実施されます」
参考:国税庁「税務署による消費税軽減税率制度説明会の開催予定一覧」
参考:国税庁「No.6102 消費税の軽減税率制度の実施」

軽減税率以外にサロンですべき消費税増税対策

①施術メニューや店販の価格改定

お客様の増税前の駆け込み需要の高まりや、サロンで仕入れているシャンプーなどの美容品や使用している備品・消耗品など、メーカーによっては価格据え置きでの販売が困難になり、コスト分の値上げが予想されます。それらを考慮して施術メニュー・店販販売価格を見直さなければ、経営圧迫につながる恐れがあります。

②施術メニューや店販の価格表示

2013年10月の消費税率の引き上げ時に、価格表示の対応に追われた経験はありませんか?
消費税の引き上げへの転嫁が確実に実施できるようにも、価格表示などの作業負担に配慮し、表示する価格が税込価格であると誤認されないための処置がされていれば、総額表示(税込価格の表示)をしなくて良いこととなっています。価格改定をしたのであれば表示の変更は必須となるので早急に対応・準備をしましょう。

認められる消費税の表示例

参考:財務省「消費税率引上げについて」
参考:財務省「消費税の総額表示義務と転嫁対策に関する資料

③新システムに対応したレジスターの導入

消費税率引き上げまで残り2か月を切りましたが、まだ半数近い中小企業ではレジスター(POSシステム)が軽減税率未対応の状況です。レジスターは決して安価な買い物ではないので、購入に躊躇されているオーナーさんもいらっしゃると思いますが、増税後の対応を考えると導入しておいたほうが賢明です。
大きな出費を避けたいとお考えの方は、中小企業・小規模事業者向けの軽減税率制度に対応した補助金制度がありますので、是非活用してください。既に導入・改修されたサロンでも「事後申請」が可能です。
※2016年3月29日以降の導入・改修に限るなどの条件があります。ドロアー・プリンター等の備品は対象外です。

また、レジの切り替えを機に、インバウンド対応のシステムや、話題のキャッシュレス決済の導入をするのも良いかもしれません。店販に関してはインバウンド向けに免税出来るので単価アップなど売り上げに繋ぐことが可能となり、キャッシュレス決済をするとポイントによる還元が適応されるので、お客様の消費活動が活発になることが予測されます。

消費税増税にあたってやってはいけないこと

消費税が引き上げられるとお客様の来店が著しく減ってしまうといった懸念事項があります。対策として「消費税還元セール」といった消費税に関するセールを考えてしまいそうですが、実はこのような宣伝・広告は禁じられています!

前回消費税率が5%から8%に引き上げされた20144月は、税率引上げ時に様々な物・サービスの価格が一斉に上昇し、引上げ前後に大きな駆け込み需要・反動減が発生しました。この経験を踏まえ、政府において、事業者による自由な価格設定が原則であることを再確認するガイドラインがとりまとめられました。

いわゆる「消費税還元セール」は禁止されていますが、消費税と直接関連しない宣伝・広告(「101日以降、2%値引きセール」など)は規制されないこと等を明確化しています。

消費税表記で出来ること出来ないこと

事業者間の取引については、小売事業者に製品・サービスを納入する下請事業者等がしわ寄せを受け、適正な価格転嫁ができず、消費税率引上げ分を負担させられるような事態があってはなりません。政府としては、201910月の消費税率引上げに際して、下請事業者等に対して、買いたたきなどの転嫁拒否行為が行われないよう、引き続き、転嫁Gメンによる監視や関係機関による周知を厳格に行っています。

また、従来、「便乗値上げ」の抑制を求めてきましたが、経営判断に基づく自由な価格設定は妨げられません。例えば、消費税率引上げ前の需要の高まりやコストの増加に対応して値上げを行うなど、合理的な理由があれば便乗値上げに当たりません。

参考:内閣府「消費税率の引上げに伴う価格設定について(ガイドライン)」

まとめ

消費税率の引き上げは経営や売上の悪化に響くと懸念されるマイナスイメージの大きい政策です。政府は軽減税率をはじめとするポイント還元やプレミアム商品券の発行などの施策を挙げ、景気の腰折れを防ごうとしていますが、それらを有効活用する術を理解していないと、経営に負担がかかってしまいます。増税におけるメリットを最大限活用し、軽減税率に伴う補助金などの制度を積極的に利用しましょう!

消費税軽減税率制度のお知らせ

引用元:軽減税率対策補助金事務局「軽減税率対策補助金事務局ホームページ」

ビューティーパークカレッジでは、軽減税率に対応したPOSレジの導入のお手伝いも行っております!
現在エステサロンやリラクゼーションサロンで店販されるサプリメントなど『健康食品』をお取り扱いがある場合は、レジの切り替えが必要です。補助金の対象となりますので、一度ご相談ください!

「所得税法等の一部を改正する法律」の成立日2016年3月29日から2019年9月30日までに導入又は改修等し、支払いが完了したものが支援対象となります。申請受付期限は20191216日までです。(事後申請可能)どの項目に該当するか、軽減税率対策補助金事務局ホームページよりご確認ください。

※支援対象について一部誤りがございました。下記の通り支払いが済んでいなくても「契約等の手続きが完了」していることが補助金対象の要件とするよう緩和されております。深くお詫び申し上げますとともに、訂正させていただきます。

2.手続要件の変更について
本補助金の公募要領において軽減税率対応レジの「設置・支払いの期限」を提示することに変えて、軽減税率制度が始まる今年10月1日の直前(9月30日)までにレジの導入・改修に関する「契約等の手続きが完了」していることを、本補助金の対象要件とするように各種規定類を改めることとします。これにより、9月30日以降に設置・支払いが行われるものも本補助金の対象となります。
なお、補助金の申請はレジの設置・支払い後になるため(事後申請)、12月16日の補助金申請期限までに設置・支払いを完了する必要があります。

引用元:経済産業省「軽減税率対策補助金の手続要件を変更します」

増税後の経理・事務などの業務負担軽減のためにも、これを機に導入を検討してみてはいかがでしょうか?
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