みなさんのサロンではコンスタントな店販販売ができていますか?
サロンの収益はほとんどが施術から得られており、比率としては数%といった店舗が多いのではないでしょうか。
店販での収益に関してはあまり意識して勧めることが少ないことや、店販を売ることに苦手意識を持っているスタッフが多いことが原因だと考えられます。
これまでの薬機法コラムでご紹介した法律や表現などの知識をフル活用し、スタッフ全員が店販を購入に繋いで、店販の比率を数%から20%、30%と上げていくために、サロンで取り組んでいただきたいポイントをまとめました。

店販売上が変わる!おさえておきたい4つのポイント

サロンの売上を変えるには、オーナーが意識するだけではとても難しいです。
つまり、従業員全員が売り上げに関心を持ち、意識しなければお客様は購入してくれません。

今回ご紹介する店販販売における「4つのポイント」を確認し、サロンのスタッフと共有・実行してみてください。
スタッフの意識改革をおこなえば、店販の売れ行きや売上に変化をもたらしてくれます!

店舗で取り扱っている商品のラインナップを再確認する

オーナーのみなさんがこだわって選んだアイテムですので、オーナーさんは当然店販のラインナップを知っていると思います。
しかし、新人スタッフをはじめとした従業員全員がすべての商品を把握しているのでしょうか?
新入社員はただでさえ覚えることが多いので、もしかしたら店販に関してはさほど記憶していないかもしれません・・・そもそもサロンで何を置いているのか理解していないと、お客様に勧めることはできませんよね。
数種類のメーカーの商品を取り扱っているサロンもありますし、基礎化粧品においても、ひとつのメーカーで「ライン使いを意識した商品一式」×「肌質の種類」を揃えるだけでも膨大な種類があります。

今一度全員でどのような店販があるのか確認し、最適な種類であるのかを含め、ラインナップを見直してみましょう!

②商品の特性と市販品との違いを理解し専売品のメリットをみつける

ラインナップを見直した次は、サロンで取り扱っている商品の特徴を再確認しましょう。
サロン専売品を購入されるお客様は「他の商品とはどう違うの?」「市販品と比べてどれくらいすごいの?」といった違いを理解し、効果を納得したうえで購入されます。
簡単な比較表現をすると、得られる効果もイメージしやすいので、セールストークにお勧めです。

例:「商品に含まれている成分は同じですが、専売品の方が保湿成分が多く含まれていますよ。」
  「市販品は洗浄効果がありますが、水分の割合が多いので成分効果が薄まっているものもあります。」
  「市販品より価格は高いですが、その分ケア成分がたっぷり配合されているので少量の使用で十分です。」

難しい専門用語を用いた「○○という成分は□□といった効能・効果があります。」といった商品説明は、お客様によっては「理解できない・良さが分からない=購入しない」につながる可能性が高いです。

もし、成分に触れて説明する場合は、その成分がどのようなものに含まれているのかなど、原料について触れるとイメージしやすいのでお勧めです。オーガニックや天然の成分だとお客様の身近に存在するものが多く、肌に優しいイメージが浸透しているので効果的です!

例:「チョコレートの原料のカカオを使ったカカオバター(カカオ脂)が配合されたクリームで、抗酸化作用が期待できるので、年齢に応じたケアが出来ますよ。」

成分の特性を説明できれば説得力がありますよね。「このサロンの人は商品についての知識が豊富だ」と印象付けることができれば、スタッフ・商品への信頼度も高まり、購入に繋げることができます。
定期的に商品の特徴を成分レベルで理解できるように、サロンで定期的に勉強会・研修会を開催したり、セミナーや講習会に参加したりして知識を得るとより効果的です。

※市販品に関して「悪い成分が含まれている」などの誹謗するような表現は絶対にしないでください。

③商品の広告やPOPを読み直して、過剰な効果を謳っていないか確認をする

ここで今回の連載で学んだこと、薬機法における効能・効果の表現範囲などの知識が活かされてきます!
サロンに掲示しているポップに、店販の効果効能については過剰な表現がされていませんか?
これまでに紹介してきたNGワードの代表である「ダメージを受けた髪を再生」「傷ついた頭皮を修復」「毛穴が消える」「ニキビが治る」といった治療的表現は使いがちです。もし使っていたらすぐに書き換えましょう!
シワ、しみ・そばかす、美白(ホワイトニング)を使用している場合は、それぞれしばりの表現や注釈・説明を必ず記載しておきましょう。

しばり表現等の規制に対する広告例

また、一般化粧品と薬用化粧品で表現できる範囲が異なります!取り扱いアイテムがどの分類に該当するかの確認も怠らないように注意しましょう。
もちろん、有効成分でない特定の成分を強調した広告はお客様へ誤解を与えるので厳禁です。
因みに、最近話題のまつ毛美容液は「育毛」効果が認められていないのにも関わらず、薬用や医薬部外品の表示を行って販売された事例が複数発覚し問題になっています!お客さまが安心して購入できる広告を心がけましょう。

表現に関する詳細を確認・振り返りたい方は、連載コラム薬機法②をご覧ください。
参考:東京都福祉保健局「広告基準 効能効果編」(化粧品の効果効能の範囲)

④お客様の悩みを聞き出し、サロン専売品のメリットを法に沿った表現で提案をする

店販を販売する上で最も重要なのが、スタッフの意識です!「施術を受けに来てくれたお客様に営業をするのは気が引けるな・・・」と思い、店販を勧めることに苦手意識を感じている人は多いです。
しかし、サロンへ施術に来られるお客様は「綺麗になりたい」という思いがあって来店しています。スタッフひとりひとりが「自分がこのお客様をきれいにする」という意識が持てるように、オーナーの皆さんが導いてあげてください。
施術中のトークをセールストークに繋げるためには、お客様との距離感を縮めなければいけません。

施術中に気付いたお客様の特徴(髪の傷み具合・肌のハリ・爪の感想など)を、都度伝えて、お客様の持っているお悩みを聞き出し「共感」してあげると、距離感が縮みますので、「おすすめのアイテムがあるので使いますね」「自宅でケアできるアイテムをサロンで扱っています」といったセールストークに切り替えやすいです。
セールストークは「広告」扱いなので、前述した正しい表現を使って商品説明を行いましょう。
サロン経営者の皆さんがこだわって選んだ店販美容品の素晴らしさを、一人でも多くのお客様に伝える為にも、正しい使い方や効能・効果の説明をしていただければと思います。
誠実な思いが伝われば市販品より店販でも購買に繋ぐことができ、リピート率も単価も向上するはずです!
強く押し売りをしてしまうとクレームにも繋がりますので細心の注意が必要です。

参考:東京都福祉保健局「医薬品等適正広告基準」
参考:日本化粧品工業連合会「化粧品等の適正広告ガイドライン」

「ポップを置きたくない」「店販を取り扱いたくない」場合の店販対策

「ポップを置くのはサロンのイメージにそぐわないから置きたくない!」といったサロンも少なくありません。
確かに、落ち着いた雰囲気や、自宅にいるような空間を推しているサロンに、あからさまな広告やポップが置いてあると「お店に来ている」と感じられやすく、雰囲気に合いませんよね。落ち着いて施術を受けていただけないのでは、という懸念も出てきます。

しかし、お客様は目に見える情報を購入する最初のきっかけにしています。ポップをレジ横や施術台に設置することに抵抗があるサロンでは、待ち時間にお渡しする雑誌と一緒にちょっとした広告を添えてみてはいかがでしょう?

実際、店販に関して「購入したいけどどのような効果があるのかな?」「香りや質感はどうなのだろう?」といった疑問を持ったお客様はとても多いです。しかし、お客様全員がサロンのスタッフに気軽に質問ができるわけではないので、購入する機会を失っている可能性が大いにあります!機会損失を避けるためにもポップや広告を掲示することは効果的です。

また、「在庫を抱えたくない」「セールストークが苦手」といった理由で店販を取り扱いたくない方も多いです。
先日ビューティーパークカレッジで開催したセミナーでもご紹介したのですが、「在庫を抱えずに店販を販売できるシステム」があるのをご存じでしょうか?メーカーからお客様へ商品を直送するシステムなどがあるので、在庫を抱えたくないオーナー様にはおすすめのサービスです。

セールストークが苦手な方は、一度取り扱っている商品を実際に使ってみてください。使ったからこそ分かる商品の強みを見つけることができますし、自身の使用した感想だと嘘偽りもないのでお客様にご提案しやすくなります。

前回までの連載記事はこちらから
店販の売上を伸ばす技とは?サロン経営に法律を活かす【薬機法その①】
店販売上向上の工夫とは?サロン店販ポップ作成の注意点【薬機法その②】
店販の売り方に応用できる!販売トークや広告のポイント【薬機法その③】
店販比率があがる!ユーザー視点で広告を考える 【薬機法その④】

まとめ

薬機法連載コラムを通して、美容品や関連する法律・広告のルールについて知識を深めることができたでしょうか?
難しい表現や規制が多いですが、サロンを経営するうえで絶対に無駄にはならなりません!むしろ、法規制を活用することで、信頼できるサロンをつくることができます。
更に知識を深めることでオーナー・サロンオリジナル商品を開発しブランディング強化も・・・と今後の展望も広がるかと思います。

ビューティーパークカレッジでは「店販在庫を抱えたくない」「店販をしたいけど、どのような商品を揃えたらいいか分からない」といった、経営に関するお悩みを解決するために、セミナーを開催しております。もし、何かお困りでしたら是非ともミナー・イベントにご参加ください。

また、ビューティーパークカレッジでは経営者の方へのインタビュー記事のご紹介をしています。
ここでは美容業界に携わる『専門家』の素晴らしい成功の背景に隠された、知られざる『苦労』や『失敗』、そしてそれを乗り越えた秘話について取材しております。サロン経営における様々なお悩みを解決するひとつのきっかけとなり得る情報が満載です。是非ご覧ください!

法律は技術が進歩する都度変わりゆくものです。
今後も新しい情報など入りましたらコラムにて紹介いたします。是非連載の続編をお待ちください。

※当記事は執筆時(20198月現在)施行されている法律に基づき、関連参考資料を精査したうえで作成しております。法律の改正が生じた場合・法に違反する内容があると発覚した場合は予告なく記事の修正または削除を行います。ご理解のうえお読みください。

※表現に関する内容は解釈により異なる可能性があるため、広告表現のチェックに関する質問の回答は出来かねます。正確な回答は厚生労働省 医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課で確認されることをおすすめします。