TwitterやInstagramなどのSNSを運用するうえで気をつけたいのが炎上対策です。ひとたび炎上してしまうと、サロンの社会的信用を大きく損ない、顧客離れや株価の下落(株式会社の場合)など、深刻な影響が出ます。場合によっては炎上がきっかけで閉店してしまうこともあるのです。そのような事態に陥らないために、このコラムでは炎上対策や対処の仕方についてご紹介します。これを機に、SNSを正しく運用できているかどうか確認しておきましょう。

SNSで炎上した時の対処方法

SNSで起こる炎上には大きく分けて3種類あります。1つ目はサロンの公式アカウントでのミスや無神経な投稿2つ目はスタッフの個人アカウントによる不適切な投稿3つ目は他のユーザーによる不満や誹謗中傷の投稿です。

また、これらとは別に最近では「炎上マーケティング」という商法もあります。わざと炎上させることで注目度を集め、最終的には自社ブランディングへとつなげる商法です。しかし、これは諸刃の剣と言えますし、大企業や有名人でさえ成功させるのは非常に難しいのでおすすめできません。

よって、ここでは前述した3種類の炎上に合わせた対処方法をお伝えしていきます。

①サロンの公式アカウントが原因で炎上した場合

サロン名義のアカウントで炎上した際、よくやってしまいがちなのが炎上した投稿や殺到したコメントの削除です。アカウント名を変えたり、アカウントを消して新規アカウントで作り直したりするケースもあります。しかし、これらは間違った対処方法です。

SNSユーザーはこのような事件に対して非常に敏感なので、問題を隠蔽しようとしていると捉えられ、余計に炎上してしまいます。また、問題のあった投稿や証拠となる写真、新規アカウント、さらには投稿者の個人情報まで公開したまとめサイトやニュース記事も出てくるでしょう。

そのため、炎上した投稿やアカウントをすぐに削除するのはNGです。炎上した時は誠意ある対応をすることが何よりも重要になります。まずやるべきことは、サロンの代表者が謝罪し、社内で調査・対応中であることを発信することです。この時、投稿内容についての謝罪ではなく、世間を騒がせてしまったことに対して謝罪することがポイントです。事実関係が明らかになっていない状況での謝罪は、無責任さの表れとも取れます。その後は事態が解決するまで日常的・宣伝的な投稿は避けましょう。

炎上後は速やかに状況を確認します。炎上の原因として主に考えられるものは以下の通りです。

ミス投稿(打ち間違いやアカウントのミス)
サロンに相応しくない言葉や画像のチョイス
誤った情報の発信
担当者の私的・感情的な意見
誤解を招く内容(本来の意図とは違う受け止め方をされる)

上記のどれに当てはまるのかを確認したうえで、サロンとしての方針や対策を考えましょう。これはサロン全体にかかわる問題なので、投稿担当者や代表だけで考えるのではなく、全員で問題に向き合うことをおすすめします。「どのように弁明や謝罪をするのか」、「再発を防ぐためにできる対策は何か」などを議論して出た結論は、代表者がSNSにまとめて投稿しましょう。

炎上してしまった時点でサロンへの信頼は大きく損なわれていますが、炎上後にどのような対応をするかで信頼の回復度合い(あるいは落ち込み度合い)が変わります。一貫した誠実な態度を示し続けることが大切です。

②スタッフの個人アカウントが原因で炎上した場合

スタッフにはプライバシーの権利があるので、サロン側がスタッフ個人の私的アカウントについて介入することはできません。しかし、サロンに大きな悪影響を与える場合は話が別です。よくある炎上の原因は下記の通りですが、特に一番初めの悪質ないたずらは近年「バイトテロ」という言葉が作られるほど深刻な問題となっています。

サロンのイメージを落とす悪質ないたずら
事実とは無関係なサロンに対する誹謗中傷
サロンに相応しくない言葉や画像のチョイス
個人情報の漏洩
機密情報の漏洩

炎上が発覚したらすぐに問題となった投稿を保存しましょう。重要な証拠となるので、消されてしまう前に必ずダウンロードしたりスクリーンショットを撮ったりしておく必要があります。また、誰が投稿したものなのかを特定し、事実関係を確認しなければなりません。

SNSでは個人を特定するのが難しい場合もありますが、要件を満たせば刑事上の責任を問うために発信者情報開示請求ができます。スタッフを特定し、サロン内で早急に今後の処遇を決めましょう。迅速な対応がサロンへの信頼に繋がります。諸々決まった後は投稿者本人のアカウントで謝罪させ、サロンのアカウントや公式ホームページなどでも謝罪や今後の対策、投稿者の処遇を述べることが大切です。

近年増加中のバイトテロとは

バイトテロとは、「アルバイトによるテロ行為」を略したものです。飲食店の流し台で入浴する様子や、コンビニのアイスケースに横たわる様子を撮影した動画などを見たことがある方も多いのではないでしょうか。このように、会社の商品・食品・備品などを利用してふざける様子をSNSに投稿し、それが原因で起こる炎上をバイトテロと呼びます。

撮影された店舗(場合によってはグループ店舗や同業者も)の社会的信用が失墜するだけでなく、賠償金の請求や不買運動、契約解除、休業など、さまざまな経済的ダメージも受けるので、倒産に追い込まれることも少なくありません。

バイトテロは飲食店や大手チェーン店に多い傾向にありますが、サロンで起こる可能性もあります。実際、ある美容室ではスタッフが店内でふざけている動画を投稿し、お客様からお叱りの連絡を受けたということもありました。この時は幸いにしてバイトテロというほどの騒ぎにはなりませんでしたが、内容によっては犯罪行為にもなり得るので十分に注意させる必要があります。

③他のユーザーによる投稿が原因で炎上した場合

sns

サロン関係者による投稿以外でも炎上の原因となることがあります。お客様やスタッフの家族、近隣住民など、他のユーザーが投稿した内容が拡散され、炎上することもあるのです。たとえば、炎上の原因として以下のケースが挙げられます。

お客様からの不満や批判(クレーム)
サロンやスタッフに個人的恨みを持つ人物からの誹謗中傷
不正行為や犯罪行為に対する指摘
デマや噂の拡散
炎上を目的にした愉快犯による投稿

これらの中で最も多いのはお客様からのクレームによるものです。こちらに関してはサロン側に非があることがほとんどなので、他のケースよりも慎重になって対処しなければいけません。仕上がりが明らかにおかしかったり、実際の施術が宣伝と違う内容だったり、さまざまな原因が考えられますが、担当者を特定して事実関係を確認したうえで丁重に謝罪し、無料でお直しさせていただく、返金するなどの誠意ある対応をしましょう。そして、同じことが繰り返されないように再発防止策を考え、徹底することが必要です。

また、誹謗中傷や事実と異なるデマや噂が拡散された場合には、公式アカウントやホームページできちんと事実を説明することや、サロン関係者以外からの擁護を得ることが大切です。証拠をきちんと提示したうえで事実無根の噂であることを明らかにしましょう。

この時、法的措置を取ることも視野に入れている旨を発信すると、サロンの主張が正当性を帯びるうえ、悪質ユーザーへの牽制にもなるのでおすすめです。実際、内容や拡散の規模によっては信用毀損罪や業務妨害罪に該当します。それと同時に、SNSサービス提供会社に投稿の削除要請やアカウントの凍結要請を出すことも重要です。

炎上防止策

ここまでは炎上した場合の対処方法についてお伝えしてきましたが、そもそも炎上が起きないに越したことはありません。そこで、炎上を未然に防ぐための防止策についてご紹介します。

ソーシャルメディアポリシーを作る

ソーシャルメディアポリシーとは、SNSやブログなどの取り扱い方に関するガイドラインのことです。近年は企業情報をSNSで発信することが増えましたし、個人でもSNSを使用している人が多くなりました。そのため、このようなツールを正しく使うために「して良いこと・してはいけないこと」を明確に定めたソーシャルメディアポリシーが注目されています。

スタッフ一人ひとりに責任を持ってSNSを利用してもらうため、どういうことをしたらどのような結果になるのか、何が問題なのかを明確にすることは非常に大切です。たとえば、「仕事中に得た情報をサロン関係者以外に漏らさない」、「芸能人などが来店しても、本人の了承を得ない限り話題に出さない」など、ごく当たり前のことも含めて明確に定めると良いでしょう。

ちなみに、ソーシャルメディアポリシーは既に多くの企業で取り入れられているので、ネットで検索すればサロンにも転用できる内容が見つかると思います。ぜひこの機会にソーシャルメディアポリシーを定め、スタッフ全員に周知してください。

雇用契約書や就業規則に懲戒事由を記す

ソーシャルメディアポリシーの補強として、懲戒事由にSNSの取り扱いを盛り込むのも一つの手です。雇用契約書はスタッフごとに会社と結ぶ契約を記したもの、就業規則は会社に属する人全員が守るべきルールのことです。サロンの場合、就業規則を定めていないケースが多いので、そのようなところでは雇用契約書に懲戒事由としてSNSの不適切な取り扱いを記しておくと良いでしょう。そのうえで口頭でもしっかり説明しておくと良いですね。

SNSに不適切な投稿をすることで解雇される可能性があると分かれば、スタッフ全員が仕事でもプライベートでもSNSの利用に気をつけるはずです。さらなる抑止力として、該当し得る犯罪や法的措置についても触れておくのも良いでしょう。ちなみに、よくある例としては信用毀損罪や業務妨害罪、器物損壊罪などが当てはまります。サロンに大きな損害が及んだ場合は、損害賠償を請求することも可能です。

一人で管理しない(二重チェック)

可能な限り、SNSやブログは2人以上で管理するようにしましょう。そうすることで、より客観的な目で投稿内容を確認できるからです。必ず誰かのチェックを通してから投稿するようにするのが望ましいですが、それが難しい場合には投稿された内容をスタッフ全員でこまめに確認すると良いですね。このような二重チェックをすることで、炎上する可能性のある投稿を早くに発見・対処することができます。

ヘイト表現をしない

サロンの公式アカウントでは、ネガティブな内容を投稿したり、特定の人や企業を傷つける恐れがある言葉を使ったりしてはいけません。自分のサロンに来てもらいたいからといって、わざと他のサロンを悪く言うのもNGです。

つい最近、とあるスタイリストが自分の担当したお客様の写真をアップし、お客様や女性を侮辱する表現を用いた投稿をしたことで炎上しましたが、その人は以前から「尻軽髪」、「おブス専用」、「おばちゃん色」などと過激な表現を使っていました。このように、誰かを不快にさせたり、傷つけたりする可能性のある言葉は使わないようにしましょう。その「誰か」が自分のお客様かもしれないのです。炎上するまではいかなくても、お客様を始めとした周囲の人々からの信頼を失うのは目に見えています。

世間の話題に首を突っ込まない

サロンの公式アカウントは、個人アカウントよりも一つひとつの投稿に対する責任が大きいです。投稿の内容次第で、サロンの印象をプラスにもマイナスにも変えられます。だからこそ、世間を賑わす話題には軽率に触れない方が良いです。サロンに関係のある情報であっても、軽く紹介する程度に留めましょう。個人的な見解を述べたり、感情的な表現を使ったりするのはNGです。炎上の可能性があるものは徹底的に排除して、事実のみの発信に専念してください。

炎上対策もブランディング戦略

sns

SNSを利用しているサロンの目的は、集客やお客様との繋がりを深めることだと思います。そのためには、魅力的なサロンであることを発信していかなければなりません。つまり、SNSを利用することでブランディングをしているということですね。ところが、炎上してしまってはブランディングどころではありません。よって、日頃から炎上対策を取って、正しくSNSを使うことが大切です。ぜひ、今回ご紹介した内容を活かしてブランディング強化に役立ててもらえたらと思います。

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